妙春堂の日常ーアラフィフ婚のすゝめー

アラフィフ婚にむけての日常つれづれ日記

2021.11.12 いずれゆく道

コロナ禍の中、国、都道府県をはじめとして多種多様な支援措置がなされています。支援金、補助金、各種クーポン等々。

そいういった支援を受けるには事業者自身が申請をしなければならず、それを審査する機関も必要になります。私が勤務するのが、まさにそのひとつです。

 

以前の機関は支援金タイプでしたので一度申請すれば終了でしたが、今回は補助金タイプ。実績に対して補助金を振り込む形なので、売り上げが発生するたびに申請してもらう必要があります。そのため、締め切りは半月毎。

開始当初は当然事業者側も不慣れで申請書は不備の嵐。指導と再提出の依頼もこちらの仕事です。大変ですが、そのうち慣れてきて不備は減ってくる…と思ったら大間違い!

言っても言っても言っても言っても、どうしても毎回不備だらけの申請書が届きます。それも特定の事業者さまばかり。

 

中でも代表がご年配で、こぢんまりした展開をしている事業者さま。パソコンも使えないので、WEB申請が主流になっている中でも手書き書類のFAX申請。

文字の解読から始まる審査は、なかなか大変です。そして、言うまでもなく不備のオンパレード。電話でここ(A)はこう書いて、こちら(B)はこうして、あと〇〇という書類も併せて出してください、と伝えるも、AとBの修正内容が逆になっていて〇〇は届かないという…。そしてまた電話して、再修正依頼して〇〇出して~!とお願いして、暫くしてやっと完成形が届いたと思ったらやっぱり修正が不完全で、修正しなくて良かったところをいじっていたり。

もう嫌ぁ~!と、その場でしゃがみ込んだり机に突っ伏したりなんて日常茶飯事。

 

でも、もう嫌!と言いたいのは先方も同じなのですよね。言われるがままに書いて送信しているつもりで、決して間違えたくて間違えているわけではないのです。だからこちらも多少苛立っても強くは言えません。先方だって、たぶん自身に苛立ってる。

こちらにとってはシンプルな申請項目であっても、先方はご年配で長年アナログで事業を営んできています。今になってWEBだなんだと言われても、付いていけるわけがありません。

 

ではどうすれば良いかと言われても、良案は思い浮かびません。こちらから先方に出向いて1から教えてあげたいし、なんなら全部やってあげたくなります。

 

かろうじて考えられるのは、事業者さまが信頼のおける相手(例えば税理士さんとか)に依頼して代行してもらうというもの。以前勤務していた支援金タイプではよくあったのですが、今回の補助金タイプではどこも代行業者に依頼しているところはないのですよね。売上=お客様の個人情報含むなので、依頼できないのかしら?半月毎に締め切りがあるというのもネックなのかも。

 

私はあくまで審査を委託された側で、申請方法についてあれこれ口出しはできません。主流はWEB。分かります。とても便利だし、すっかり普及していますし。でも、取り残されたおじいちゃん、おばあちゃんのこともちゃんとフォローしてほしいのです。

電話口では「あぁ、そういうことね。分かったわ」と理解している様子なのに、きちんと復唱もしてくれたのに、いざ届くのはハチャメチャな書類。こういうこと言うべきではないかもしれないけれど、少々ご病気を疑ってしまうこともあります。

 

今は私もかろうじて付いていけている世情ですが、そのうち今回お話したおじいちゃん、おばあちゃんのようになるのです。そんな時、今の主流は〇〇だからと取り残されるのは怖いです。

 

どんな人も、いずれは老います。老いによる疎外感を阻止するのは、自己責任でしょうか?私には、そうは思えないのです。