ふと思ったのです。これまでにも散々書いてきましたが、私と虹夫さんは性格も趣味嗜好も(お酒以外は)まったく異なります。
もしも子供を授かることが出来ていたら、どのような子育てをしていただろうか、と。
いえ、年齢も年齢ですので、最初から子供を持つことは考えてはいませんでしたよ。でも、もしも私たちがもっともっと早くに出会って、そういう関係が築けていたら?
両親の得意なジャンルが異なる場合、どちらの知識も与えることが出来るので子供の世界を広げることが出来るように思います。実際に私は父から理数系の知識や蘊蓄を、母からは詩的で文学的な見識を得ることが出来ました。
どちらも歴史や文化芸術を好んでいたので、古い映画や絵画などにも触れる機会を多く与えてもらいました。
その影響を多大に受けてか、理屈っぽくもあり、抽象的でもある私。もしも私が子供に何かを与えることが出来るなら、歴史の面白さ、音楽の楽しさ、物語の味わい、伏線回収と言う刺激を伝えることでしょう。
一方で、虹夫さんは雑学が豊富です。知っているのが少数派な面白い知識を沢山持っているし、何かを尋ねればいつでも的確な回答を返してくれます。
特にこれとい特化したジャンルはないけれど、よろず満遍なく頼りになります。
ただひとつだけ、気掛かりがあります。お互いの笑いの好みです。
私と虹夫さんは同じ芸人さんのネタを見て一緒に笑ったことがありません。私が声を上げて笑っている時、虹夫さんはスンとしています。虹夫さんが爆笑しているところって、見たことがありません。
何度か虹夫さんから「これ初めて観た時、腹抱えて笑った」と見せてもらった動画がありますが、どれも物理的に痛いとか、臭いとか、お下品だとかばかり。体当たり芸とか、リアクション芸が大好きなのです。こちらは顔をしかめるばかり。
もしも私と虹夫さんに子供がいれば、きっと虹夫さんは「これ面白いぞ」と我が子にそういった動画を沢山見せるでしょうし、下手すればそんなちょっかいを出すかもしれません。行動力のある人なので、もしかすると一緒にやり始めるかもしれません。
そんな場面を見つけたら、私なら「今すぐにやめなさい!」と叱り飛ばしてしまうでしょう。
お父さんは楽しんで大笑いしてくれるのに、お母さんは目くじら立てて怒る訳です。
子供は板挟み……。
他はともかく、お笑いの好みは子育てするにあたってよくよく話し合う必要があるかもしれません。
なんにせよ、私も虹夫さんも子供は大好きで、どちらも不思議とこどもには好かれるタチです。私の怒鳴り声は上がるにせよ、賑やかに過ごせていたかもしれませんね。
ところでこれをお読みの方で、志村けんさんの『ケンちゃんブー』てネタをご存じの方いらっしゃいませんか? 虹夫さんは昔リアルタイムでそのネタを見たことがあるそうなのですが、私を含めて「それ知ってる!」て方と出会ったことがないと言うのです。ウィキペディアには僅か2行ほどの記載があるので、虹夫さんの見た幻ではないことは確かなのですが。
ケンちゃんブーをご存じの方、テレビで観たよという方、何かしら反応頂けると虹夫さんが喜びます。