妙春堂の日常ーアラフィフ婚のすゝめー

アラフィフ婚にむけての日常つれづれ日記

【連載】絶妙アンバランス③「判子ください」

12月に入り、再就職してから数日。彼が仕事帰りにお迎えに来てくれると連絡をくれた。

 

前職時代は度々そうやって束の間のドライブデートなどをしていた。

春に私が退職をしてからはそれもなくなり、週1~2度の大切な時間もなくなって、彼と時間が取れるのは週末のみになっていた。

 

今回の職場は以前の場所とそう遠くなく、レインボーさんとの待ち合わせ場所も難なく決定。

 

私のアパートまで送ってくれたりなんかしたら明らかに彼にとっては遠回りなのに、そんなことないよと平然とハンドルを握る彼に、いつも感謝している。

 

渋滞に捕まるのも、それだけ長い時間を一緒に過ごせるので苦にはならない。

この日も予想に漏れず道は混んでいたが、その分たくさんのお喋りを楽しんだ。

 

だいぶアパートも近くなったタイミングで、レインボーさんが突然こう言った。

 

「ぶっちゃけて聞くけど、誕生日プレゼントなにがいい?」

 

ぶっちゃけたなぁ、おいっ! (びっくりしすぎて本当にそう返した)

 

ちょ、直接聞いちゃうんだ。でも、その方が間違いはないな。うむ。

などと自分に言い聞かせていると、レインボーさんは慌てたように付け加えた。

 

「エアロバイクは買わんけん! 猫もかわんけん!」と。

 

いつぞやしつこくおねだりした商品ですね。大丈夫です、もう言いません。

そして、つい最近までおねだりしていた神のごとき存在ですね。仮に今プレゼントされても、うちのアパートはペット不可なので無理です。

 

「炊飯器とか」とも言い出すレインボーさん。

我が家の炊飯器は私が独り暮らしする際に兄夫婦に譲ってもらった五合炊きだが、その時点で少し内釜のコーティングが剥がれていた。それが長年の使用によって更にヤバいところまで剥がれてきてしまっていた。

その話を以前にしていたので、さすがに健康的にも危ないと心配してくれたのだろう。つくづくいい人だ、貴方は。

 

しかしだ、色気がない。

尋ね方もぶっちゃけだったし、猫はともかく誕生日プレゼントにエアロバイクか炊飯器。いや、エアロバイクは却下されているが。

 

「色気のないもの……」と、思わず呟く私。

これだけぶっちゃけられて色気のない話を振られて、私の対抗意識に火が点いた。これは色気のないものをリクエストしなければ!

 

「判子!」

「は?」

「判子が欲しい! 色気ないやろ?」

 

唖然とするレインボーさん。そりゃ意味が分からないだろう。説明することにした。

 

貴方の苗字は、読みは特に珍しいものではない。だが漢字はあまり一般的ではない。殆どの姓を網羅しているシャチハタでさえ特注でなければ購入できない。たぶん値段も割高だろう。

だから、貴方の姓のシャチハタと朱肉印のセットが欲しい、と。

そもそも私は普段から指輪をする習慣がなく、『婚約指輪』というものに実用性を感じていなかった。

いや、婚約指輪に実用性を求めることがそもそも間違いな気もしないでもないが。

 

それなら、確実に今後使用することになる彼の姓の判子の方が実用性高くね? と考えた次第。

 

これ、今考えなくてもプロポーズにならないか? 言ったその時はそこまでの意味で言ったのではないけれど、いずれ必要になるのだから買ってくれ、程度だった。

 

レインボーさんは動揺していたのか、なんだか必死に「判子は高いぞ」と言った旨の発言を繰り返し、最終的には誕生日プレゼントは三合炊きの炊飯器に落ち着いた。

 

うーん、やはり判子は自分で買うしかないか。

炊飯器は頻繁に使うものなので、誕生日よりも少し早い日に仕事帰りのレインボーさんがアパートに届けてくれた。お米はもちろんレインボーさんの実家で栽培された、なつほのか。

 

それから数日後、今度はレインボーさんからクリスマスプレゼントのリクエストがLINEで届いた。こんな感じのキーケースが欲しい、と画像付きだ。

とてもシンプルなデザインだがかなり使い込まれているようで、よほど思い入れがあるのだろうと感じた。

早速ググってみるものの、ピンとくるものがない。これは店頭を回って探すしかないな。

 

ある日、インフルエンザの後遺症的な感じで重い気管支炎に罹ってしまっていた私は耳鼻科の受診も兼ねて仕事を休んだ。診察開始時間まで自宅で安静にしていると、レインボーさんからLINEが届いた。

 

「事故った」と。

 

血の気が引く。詳細を知りたいが、向こうは混乱しているかもしれない。そんな中でも私に一報だけでも入れてくれたのだろうから急かしてはいけない。

激しく咳き込みながら、心臓バクバクで続報を待った。

 

結論から言うと、レインボーさんが追突してしまった形になるのだけれど双方怪我なし。先方の車が大変防御力が高かったとかで、傷もなくドライバーもぶつけられたことに気が付いてもいなかったと。

 

なんと双方ともに運が良い。だが、事故は事故だ。私は閃いた。

プレゼントのキーケースにサプライズを仕込んでやろう、と。

 

2日掛けてデパートやショッピングモールなどを歩き回り、1点に絞った。カラーはレインボーさんのイメージも踏まえつつ、私の好みで選ばせてもらった。名前も入れてもらった。

 

そして1223日。

この日はフライング・クリスマスパーティーをアパートでする予定だった。

キーケースは2日前に購入済みだ。

私は朝から洗濯や片づけを済ませ、氷と炭酸水とつまみになるような食材を購入。

帰宅するなりバスに乗り込み、とある神社に向かった。今年の12日にレインボーさんと初詣に行った神社だ。そこで、小振りの交通安全の御守りを頂く。これをキーケースに仕込むのだ。

 

きっと笑ってくれるだろうと期待して、月に一度の心療内科の受診を済ませるとレインボーさんとの待ち合わせ場所に向かった。

 

時間が早いので、のんびりドライブデートを楽しみ、予約していたケーキや手巻き寿司セットを購入。バッグの中の御守りを気にしつつ、アパートに帰った。

 

帰宅後は早速私はお料理開始。

レインボーさんの好きなジャコを使ったサラダ、鶏のオーブン焼き。20分で作りたかったが、なんと約1時間掛った。さすが要領の悪い私。それにしても酷すぎる。

 

とは言え、それだけ時間が掛かったことで待ちくたびれたレインボーさんがウトウトし始めたので、その隙にキーケースに交通安全御守りを仕込むことも出来たのだけれど。

 

料理が完成し、八鹿酒造のスパークリング日本酒niji(とっておきにと大事に春から残していた)を始めに、手巻き寿司を上手く巻けずにふたりで悪戦苦闘しながらも笑い合って食事が進む。

途中、罰ゲームが好きなレインボーさんの提案で、決して評判の宜しくないことで有名なチューハイやウィスキーを飲んで馬鹿笑いしたり、更におつまみを作ろうとして「このあとケーキあるんで?」と慌ててレインボーさんから止められてしまうなどした。

 

普段は見ない民放のバラエティー番組を見ながら楽しく時間を過ごしていたが、なにやらレインボーさんがリュックをごそごそしていることに気がついた。気づかぬふりをする。

声を掛けられてそちらを向くと、握った大きな手を差し出してきた。反射的に、その下に手のひらを差し出す。

 

ぽとりと手のひらに落とされたのは、シャチハタ。えっ?!

 

こ、これはもしかして、誕生日プレゼントにリクエストした貴方の姓のシャチハタ?

動揺しつつも嬉しさが湧きだす私。朱肉印ではなかったけれど、充分すぎるほど嬉しい!

 

急いで私も箪笥に隠していたキーケースを取りに行く。

早くお返ししなければと、慌ただしく差し出してしまったのは反省。

 

カラーに対しての感想はよく分からなかったけれど、満足そうに見えたので私も満足。更にその先を気づいてもらえるかドキドキしつつ様子を伺う。まんまと「なんだこれは?」とポケットに挿しこまれた御守りに気がつく。取り出してじっくり眺め、それがなんであるのか、意図はなんなのかを理解して苦笑いで吹き出した。私も悪戯っ子のように笑ってやった。

 

お互いに笑顔溢れるプレゼント交換になった。こんな楽しいクリスマス(の前々日)は初めてだろう。

 

更にお酒が進み、テレビから流れるランキング結果を予想してああだこうだと歓談。

あまりにも楽しくて、シャチハタが貰えたことが本当に嬉しくて、私は再びレインボーさんがなにやらごそごそしていることに気がつかなかった。

 

「もうひとつある」と言われて、そちらを向くとレインボーさんが小さな小さなギフトバッグから何かを取り出すところだった。

 

差し出されたものを見て、思考停止。大きなサイズの黒い判子ケース。

ん?

 

さっきシャチハタもらったし、判子は高いと言葉を濁してもいたし、ジョークの好きなレインボーさんのことだ。これはケースだけだ! 面白ーっい!!

と受け取って、息を飲む。重い!

 

ケースを開く。表と裏を間違えていなくて良かった。

鶴と亀のおめでたい蓋裏の刺繍、金ぴかの印材、誕生石を思わせる石があたりに付いている。

印影はもちろん彼の姓。

 

驚く私に、レインボーさんはそれはそれは多弁になって説明をしてくれた。

要約してしまうと(ごめんんさい)、あの誕生日プレゼントのリクエストをぶっちゃけて聞いたあの日の私の言葉に、誠実に考えて考えて出した答えがこれだったと。

「婚約指輪の代わり、てことで」

と、言ってくれた瞬間、胸が熱くなった。気持ちが込み上げるっていうのは、こういう現象なのだろう。

 

改めてお互いに「よろしくお願いします」と頭を下げて、私たちは婚約した。

 

名前を変えるのが面倒だから事実婚でいいよ、と公言していた私が180度の転換。

いったいどうした。自分でも理解が追いつかない。

 

でも、それが私がこの人とずっと居たいと思う気持ちの流れの行き着く先だったのかな、と感じた。

 

その日から、長年レインボーさんを応援していたお友達やお世話になっている方々に少しずつご報告していった。本当にお待たせして申し訳ない。

 

そのうちのひとりのお友達からは「すげぇな! 逆プロポーズやん! やったなぁ!」と声を掛けられた。……あ、やっぱりあれって、プロポーズになるのかな?

 

「そうやろ! 貴方の名前の判子がほしいとか、プロポーズ以外の何があるん!」

 

そ、そうですよね。その場ではそんなつもりなくて、ただ「何が欲しい?」て聞くから実用性だけを考えて素直に答えただけだったのですけど……。

 

ま、まぁ、結果オーライということで……。

 

アラフィフ卯年の歳女、凄まじい激動の一年だった。

当ブログを始め、いくつかの文学賞に挑んで玉砕したけれど、挑戦した自分の成長は認めたい。

婚約はしたものの、入籍までは少しばかり解決しなければならない課題がある。両家の挨拶とかね。この連載は、もう少し続くことになるけれど、一先ず3度目の完結。

来る歳を更なる成長の一年にしたいと願いつつ、皆さまのご多幸をお祈りいたします。

よいお歳をお迎えください。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

【連載】絶妙アンバランス②「酒と犬猫とレバーと」

レインボーさんと正式にお付き合いを始めて1年と3ケ月が過ぎた。

そろそろ何度目かのクライマックスが訪れることを感じ、改めて彼との関係性を見つめ直すことにした私。

 

まず彼は幼少期から大変やんちゃで腕白だったそうだ。面白そうだと思ったことは何でもやったそうだし、悪戯のセンスも高い。私など思いもつかない罰ゲームなど、泉のごとく次々と提案される。しかもそれが誰も傷つかないという見事なセンスの持ち主。

罰ゲームなどと言うと、大抵は損得が発生して惨めな想いをする人が出てくるものだけれど、彼の案は勝ち負けという結果に悔しさは発生するかもしれないが、誰も金銭的にも身体的にも傷つかない。

 

一方私は元来の引きこもり。外で遊ぶくらいなら部屋でお絵描きをしたり本を読んでいたかった。

更に負けず嫌いな平和主義なので基本的には勝負事には挑まないが、ひとたび巻き込まれて負けようものなら、一気に悔しさが湧き上がってきて再度勝負を挑んでしまう面倒臭さがある。

だからはなから罰ゲームのある勝負事など、全力で避ける。

 

もうここで、なんで私たち付き合ってんの? という疑問さえ生じる真逆な性格をしている。

 

 

軽いところで言うと、使い捨てカイロはレインボーさんが貼らないタイプ派で私は貼るタイプ派。

レインボーさんは身体を張ったお笑いが好きで、私は作り込んだコントが好き。

 

 

映画やドラマはわざわざ自分から見ないレインボーさん。私もそんなに見る方ではないけれど、偶に滅茶苦茶ハマって同じ映画を何度も観に行くことがある。

一度、ミュージカル映画とゴジラならどちらを観るかと尋ねたら「ミュージカル」と返ってきた。ただこれは、二択で迫られたから出た回答であって、たぶんどっちにも興味はないと思われる。

私は物語の時代背景や人物の個性や感情を考察するのが好きなのだが、それを話してもレインボーさんからは「ふーん」な反応しか返ってきたことがない。

 

 

私はだいたいどんな動物も平気で、特に猫が好きだ。いつか飼いたいと思っている(ただし例外として爬虫類と両生類が苦手)

だがレインボーさんは動物と触れ合うことすら避ける。

お友達がキャンプに飼い犬の小型犬を連れてきたことがあったけれど、モフモフに飢えていた私が滅茶苦茶に戯れていたのを、近くにはいたけれど絶対的な距離を保って彼は見ていた。

 

ここまでくると過去に動物と何かあったのではないかと思うが、特に何もないと言う。アレルギーも調べてはいないが、無いだろうとのこと。

 

アレルギーがないのであれば、1匹くらい猫を飼っても良いのではないかと思って、一時期ことあるごとにおねだりめいたことをした。いずれは一緒に住むことも視野に入っているのをいいことに、唐突に「ペット可物件……」と呟いてみたこともある。

その度にレインボーさんは渋い顔をして「えぇ~」と困惑していた。

 

「ファービーか金魚なら飼ってもいいよ」と返されたときは、ファービーは飼うものではないだろうと言い返してしまったが。

 

だが、この「猫を迎える」については私が折れることにした。

決定的だったのは、「猫と、生活が、したいです!」と一句一句区切りながら訴えた私に対し、彼が無言を貫いたこと。

前を向いたまま、表情を変えずにただ無言。

 

私はそれを「どうぞ。自分は一切関わりませんから」と言っているように聞こえたし、確認したらその通りだと言う。

 

そんなところで心が通じ合ってもなぁ~(嘆)

 

ここまで拒絶されてしまった以上、ゴリ押しをすれば初めて本気でレインボーさんを怒らせてしまうかもしれない。喧嘩じゃなくて、怒られる。

 

私が猫を愛でること自体は何も言わないで自由にさせてくれているのだから、充分に感謝だ。

 

 

続いて「食」で言えば、私たちはお酒が共通の趣味ともいえる。私は生酒など冷酒が大好きだが、レインボーさんはやや癖のある焼酎が好きだ。

 

更に言うと私はレバ刺しが大好きで、某焼肉店の事件がきっかけで生レバーが飲食店で提供されなくなったことをいまだに嘆いている(ごく一部の飲食店では稀に提供されているようだが)

一方で、レインボーさんは「レバーとか意味が分からない」と言う。

 

同じく、大葉と椎茸も理解出来ない食材だという。どうやら香りと食感が独特なモノが受け付けられないらしい。でも生ピーマンの肉味噌のせはよく食べてるのにな……。

 

ここでもレインボーさんの良いところは、決して私が好きなものを非難しないこと。

 

 

私が犬や猫を見たり撫でたりして和んでいるのを、ただ少し距離を取って眺めている。

食べ物でも、レインボーさんが苦手なものはだいたい私は平気だ。無言で天婦羅の大葉や茶碗蒸しの椎茸を、私の皿に移してくるのもちょっと笑いながら受け入れている。

レインボーさんは目の前で私がレバーの串焼きを食べたり、大葉入りの料理を食べていても、無言で自分の好きなものを食べている。

 

端的に言って、好き嫌いがはっきりしているので、自分の嫌いなものには一切関わろうとはしない。

 

私の好きなことを共有出来ない寂しさを感じないわけではないけれど、『お互いの好き嫌いを否定しない』というのは付き合いを続ける中でかなり重要なのではないかと、彼を見ているとそう思わざるを得ない。それが彼の優しさなのだと思う。

 

これまでに書いたことがあるかもしれないが、私たちは喧嘩をしたこともない。というより、喧嘩にならない。やはりそれも、彼が優しくて人間が出来ているから。

 

いったいレインボーさんは人生何周目なのだろう。

 

私が何かおかしなことを言っても笑ったり驚いたりしつつ、そんな発想もあるんだと受け止めてくれる。さすがに汚部屋についてはかなりの苦言を、嫌味にならないように呈してくれたけれど。

そこは確かに自覚はあったので、素直に片付けを頑張った。おかげで今では直前にちょっと慌てはするけれど、部屋に上がってもらっても平気なくらいな部屋にはなれた。

 

よく「散らかってるから、5分待って!」なんて漫画やドラマで見るけれど、まぁ、そのレベルにはなれたかな、と思っている。半年前の私の部屋なら、1ケ月待たせても無理だったから。

 

因みにレインボーさんの部屋は本人曰く「野郎の部屋にしては綺麗な方だと思う」と。

 

なんか、また意味もなく悔しい。

 

 

優しさに甘えつつ、どこか負けず嫌いな対抗意識を抱いている私と、いつでもどっしり自分を持っているレインボーさん。勝負にならない辺りも、ある意味今のバランスが取れているのかもしれない。

 

 

さて、いよいよ年末。私の誕生日とかクリスマスとか大晦日とか、イベント目白押し。

更に事件が起きそうな予感。

 

【続く……】

 

【連載】絶妙アンバランス①「温度差の激しいふたり」

本日より、年内最後の連載ブログを掲載したいと思います。ちゃんと年内に終わるかな? ちょっと盛り込みますが、頑張って急いで書きます。では、どうぞ。

 

   ↓   ↓   ↓   ↓

 

11月に入ったものの、暖かい日が続いていたある日、レインボーさんから海鮮丼を食べに行こうと誘われて漁港の町へドライブデートに出掛けた。

 

山育ちの私は海が見えると子供のようにわくわくしてしまう。関の海はとても澄んでいて綺麗で、更にこの日は快晴だったので爽快感割り増し。

 

小一時間ほど走っただろうか。道の駅に立ち寄りつつ、目的地の食堂に到着したのだが週末のお昼時。約30分の順番待ちが出来ていた。

勿論待つ。海鮮は大好きだ。待っていろ、関アジ関サバ!

 

食堂の前は道路を挟んで海岸が広がっている。素晴らしい解放感だ。行ってみたい! 近くで海を見たい! でも、レインボーさんはあまり乗り気ではない様子。嫌がることは無理強いしないのが私たちの暗黙の了解。偶にちょっと我が儘におねだりすることはあるけれど、今のはそれやっちゃいけないな、となんとなく空気を感じた。

 

館内のお土産売り場のコーナーをのんびりと物色する。地元の名産品や、うっかりレインボーさんの嫌いな紫蘇入り商品に反応して、素っ気ない態度を取られてショボンとしてしまう、そんな時間も楽しい。反省はしたけど。

 

やがて順番が来て名前を呼ばれ、席に案内された。タブレットで注文をして、私がセルフのお水やお茶を取りに行く。いつの間にか定着した行動だが、それが私にとっては自然なことだ。

 

そもそも私は社会性も人間性もへなちょこなので、「男はこうあるべき」とか「女はこうすべき」とか、あるいはその逆なんて通念がいまいち理解出来ていない。衝突しあわないで、自分の好きなようにすればいいやん。相手がそれに合わないなら、相性悪いんだからお互いに関わらなきゃいいだろうに、てのが私の考え。

 

だから、彼と食事に出掛けてお冷がセルフなら率先して取りに行って「はい、どうぞー」と差し出すのは、私が女で彼が男だからとかじゃなくて、私が彼にそうしたいと思うから。

 

それが女という生き物だと言われてしまえば、まぁ私、女ですから。そういうものだと言われたら、そういうことなのかもしれませんね、とは思う。

 

やがて、運ばれてきた器から溢れんばかりの海鮮を堪能。つやつやプリコリな食感、磯の香にお互いに大満足。いつも楽しい時間を過ごさせてくれるレインボーさんには感謝しかない。

長距離運転は苦ではない、というようなことを言われたことはあるが、それにしたっていつも甘えてばかりでなんだか申し訳ないな、なんて思っていた。

 

このドライブのあと、実は私たちにとって事件が起きる。

 

この日は前述のように天気は良かったが、さすがに11月。時折冷たい風も吹いていた。

海沿いということも影響していたのかもしれないが、とにかくレインボーさんの咳が酷かった。

 

本人は「寒暖差で喉がやられたんだと思う」と言うけれど、それにしたって胸の深い部分からせり上がるように苦しそうに、何度も何度も咳き込む姿は見ていて痛々しい。

 

海鮮丼をあとは更に足を伸ばして津久見へ、ぎょろっけを買いに行こうという話になる。製造工場で食べる出来立てのぎょろっけは格別だとレインボーさんはいう。

私もぎょろっけは好きなので、楽しみに彼の運転に身を委ねた。

 

だが、やはり気になるのは彼の激しい咳き込み。かなりツラそうだ。

先程は寒暖差の影響だと言っていたが、寒暖差アレルギーだと診断されたわけではない。これは病院で診てもらうべきではないかと思い始めた。

 

間もなく、カーナビは目的地を示した。だがそこは閑散としている。

ぎょろっけの工場は、休業日であった。日曜日だったので、そりゃ当然想定出来たな。

 

ふたりで残念がったり笑ったりしつつ、この日はもうかなりの距離を運転していたレインボーさん。私をアパートまで送り届ける為に、高速道路を利用して帰路に着いた。高速道路は海岸から離れた山の中を通っている。

 

見るだけでテンション上がる海だけど、また一緒に来ればいいさ。

 

アパートの近くまで戻ってきたところで、不意にレインボーさんがショッピングモールに寄ると言った。地元有名飲食店が特別出店するイベントが開催されていたのだが、なんとそこで先程空振りしたぎょろっけのお店の商品が並んでおり大爆笑。

出来立てではなかったけれど、揃って口がぎょろっけになっていた私たちは迷わず購入。その夜の晩酌のお供が決定した。

 

別れ際も彼の咳が気にかかり、行けるなら病院に行った方が良いと何度も伝えた。

その夜は、彼に買ってもらったウィスキーのハイボールとぎょろっけを頂き、程よい疲れの中で眠りについた。

 

翌日早朝。彼からLINEが来ていた。

午前3時頃から咳が激しくなり、眠れなかったこと。今日は仕事を休んで病院へ行くこと。もしも感染する病気だったらごめん、と。

 

新型コロナの抗原検査キッドは持っていたそうで、それによるとさいわい新型コロナは陰性だった模様。

では、次の疑いはインフルエンザ。実際、この時期は全国的にインフルエンザ感染が急増していると連日ニュースで流れていた。

 

もしこれで彼がインフルエンザに感染していたとしたら、前日の激しい咳は間違いなくそれだろうし、そうなると車内で何時間も一緒に過ごした私にも感染している可能性が限りなく高い。

 

その後も頭痛や身体の痛みに、一気に上昇し始めた体温など逐一報告してくれる彼を気に掛けつつ、無職の私も念の為に解熱鎮痛剤を服用したり体温をまめにチェックした。

 

そして昼、厳しい現実を突きつけられた。

掛かりつけを受診した彼からの「インフルエンザA型に感染」との一報。

うん、いやまぁ、そうだろうね。

 

海鮮丼デートの2日前に、レインボーさんはいつものひとり飲みに出掛けて繁華街を歩いていたので、おそらくそのどこかでもらってしまったのだろうと推測。

海鮮丼のお店と、ショッピングモールでも周囲に感染させてしまった可能性があるのが心苦しい。

 

私は運良くというか、この時はまだ無職だったのでとにかくひたすら寝た。この日は大して症状は出なかったが、翌日に事態は変わった。

体温は平熱なのだが、咳が酷く出始めた。苦しい。これはヤバい。

 

体温が高くはないので、もしかしたら陽性反応は出ないかもしれないが、絶対に間違いなく私もインフルエンザ(しかもA型)に違いない。

午後からではあるが、徒歩10分圏内の総合病院へ向かった。

 

感染症の疑いがあるので当初はパーテーションに仕切られたスペースで待機していたが、なんとと言うかやはりと言うか、結果は「陰性」

咳の薬を処方されて終了。

 

いやいや、そんな訳はない。

大量にゼリー飲料やアイスクリーム、ポカリやローテーション用のアイスノンを購入し帰宅。胃腸に負担を掛けないように、体力を無駄にしないように過ごした。

 

2日後、一気に体温が上昇して再受診。めでたく(?)インフルエンザA型との診断が出た。

 

再受診と言うこともあって話が早く、イナビルを処方されて帰宅。晴れてふたり揃って仲よく寝込むことになったのである。

 

独り暮らし歴が長い上に元来の引きこもり体質な私は、寝るのは得意。突然寝込んだとしても特に慌てることはなく、堂々たる安静をしていたのだけれど、レインボーさんは私と違って活動的な人だ。何日も寝て過ごすのは苦痛だろう。

 

お互いに数日の差はあれど、きっちり1週間寝込んだ私たち。

実はレインボーさんからインフルエンザ感染の知らせが入ったとほぼ同時に、私にはもうひとつ大きな事件が起きていた。再就職が決まったのだ。

 

失業給付を受けつつ求職活動をしていた私だったが、面談の度に「今回は見送らせて頂く存じます」的な返答が続いていた。それが今回は担当者が変わり者だったらしく、私なんぞを採用してくれたのだ。なんとありがたい。

 

更にありがたいことに勤務開始は約半月後。それまでにはインフルエンザも余裕で治まっている。

 

インフルエンザは治まったものの、毎日咳を引きずりつつ仕事に邁進しているレインボーさんには申し訳ないけれど、私はじっくりと体調を整えることに集中した。

 

そんな1125日。

クリスマス1ケ月前に、知人が所属するベリーダンスのイベントが開催されるとの案内がきて、レインボーさんと参加することになった。

あ、踊るのではなく、観覧する側で。

 

せっかくのクリスマスと銘打っているのだから、クリスマスカラー・クリスマスコーディネートで参加しないと勿体ない。し〇むらやダイ〇ソーで赤いコートにフェイクファーのスヌードを購入。さり気なくグリーンのタイツに赤い靴で全身でクリスマスを表して待ち合わせの場所へ向かった。

 

現れたレインボーさんの姿は、なんとジャージ。

似合っているんだけれど、そのカジュアルな装い好きだけど! でも、イベントにそれはどうよ!

 

しかも、ここまで固めていたのにレインボーさんは私のクリスマスコーデにまったく気が付いていなかった。頑張ったのに……。

 

更にこの、いかにもクリスマスを意識しましたコーデな私とジャージ姿のレインボーさんの姿を見て、お友達の皆さんは「温度差が激しい!! 」と爆笑。

 

つい少し前に仲良くインフルエンザに感染して寝込んだふたりだけど、こんなにも感性が違っていたとは。

そう言えば、一緒にいるところにレインボーさんのお知り合いに初めて会った時に、「兄妹かと思った」と言われたほど雰囲気の近い私たち。共通項が多いと思っていたけれど、冷静に考えてみると意外と噛み合っていないところも多いかも。

 

これは、彼との将来的なことも考えている以上は、改めて共通点と相違点を見つめ直す必要があるかもしれない。

 

ちょっと時間が必要だ。

 

【続く……】

 

連載企画再スタート…するかも

長らくサボ…じゃなくて、おやすみしていた当ブログ。

この数ヶ月のあいだに、結構いろいろありました。

 

ざっくりいうと、数社就職面接して全滅したり、インフルエンザに罹ったり、今そんなに忙しくないけどって断られた上でお仕事に採用されたりしました(本当にざっくり)

 

実際本当に忙しくないし、基本的に電話対応一切無しという楽園のような職場で若干戸惑いもありますが、なんとかやっています。

 

そんな中、遂に本日48歳の誕生日を迎えました。

毎年誕生日は前日から日付けが変わる瞬間には塩沢兼人さんの声を聴きながら日本酒を飲むのが恒例でしたが、今年は夏に断捨離でコンポ()も手放してしまったので特別編集のMD(更に笑)も聴くことが出来ず。て言うか、明日も仕事だから早く寝ないと、と早々にお薬を飲んで寝てしまったのです。

インフルエンザの後遺症でしょうかね、毎晩激しく苦しい咳に叩き起こされて疲れていたので…。

 

兼人さんへの愛が薄らいだ訳ではないの。少し前にも前を走る車のナンバーが兼人さんのお誕生日で、今日はいい日だな~なんて幸せな気持ちになったくらい。

隣で運転していたのは当然レインボーさん。

 

どちらに対しても浮気じゃないよ。どちらも大切で大好きなのです。

 

そんな日々を、これからも少しずつまた書き溜めては投下していきたいと思います。

 

アラフィフ婚シリーズ第3弾、年末年始に向けて楽しみながら頑張ります。

 

健全な宇佐神聖ドライブ

先日、新米を各所に届けに行くというレインボーさんからのお誘いで、一緒に宇佐市までお出掛けすることになりました。ドライブなので、お酒抜きの健全デートです()

 

お昼前に合流して、まずはレインボーさんの職場へ。そこで1袋下ろして、次に以前からのお知り合いという方の自宅へ。そちらへは2袋お渡ししました。

非力な私は助手席待機(手伝えよ)

 

さて、遠出の目的は達成しました。

ランチを食べそびれていたので、ドライブしながら食べ物屋さんを探します。

 

大きな通りに出る際に、レインボーさんから右折か左折かどちらに行きたいか聞かれました。

細かい予定を立てずに『行き当たりばったりなるようになる』スタンスなお出掛けはいつものことです。

そこで私はなんとなく左から圧を感じていたので、左折をお願いしました。これがのちに大正解。

 

しばらく車を走らせていましたが、商店はたくさんあるのに飲食店がなかなか見つかりません。レインボーさん、すっかり空腹のようでちょっと心配。さっき右折にしておけば良かったかな? と不安に。

 

特に何が食べたいなんてものはとっくに無くて、とにかく目に入った食べ物屋さんに入ろうという次元にまで来た頃に、一軒のうどん屋さんを発見! お昼時を少し過ぎていたので、程よく席にも余裕があって、窓から見える稲穂の波を眺めながらの穏やかなランチタイムです。

 

私はごぼ天うどん、レインボーさんは天婦羅うどん。追加でおにぎりも注文。

うどんは太くて柔らかくて、博多うどん寄りな感じでしょうか。無料サービスのお漬物とあわせて美味しく頂きました。

 

ようやくお腹も落ち着いたので、さてこの後どうするか? 更に左の方向へと向かいます。

そこで私は目ざとく見つけました。『宇佐神宮まで4㎞』の看板を。近い!!

 

宇佐市といえば『宇佐神宮』ですよね。いや、から揚げとか掩体壕とかいろいろありますが、私の中では真っ先に浮かぶのが宇佐神宮なのです。

過去に2回訪れており、願掛け地蔵尊にもお参りしています。ひとつだけ願いを叶えてくれるというお地蔵様。お参りにはルールがひとつあって、願掛けしている姿を誰にも見られてはいけないのです。

私が過去お参りした頃はあまり知られていませんでしたが、いつだか全国放送のテレビで紹介されたらしく、願掛けに来る人が増えて最近はちょっとお参りしづらくなっているようです。

 

実はここまでの間に一度、他に寄りたいところはあるかと聞かれて「宇佐神宮の近くを通るならお参りしたい」と伝えていました。ただ、宇佐神宮は広いです。特別高くはないですが山なので、たくさんの石段と傾斜のある道を昇らなければいけません。それでレインボーさんへ提案するのに少し躊躇していました。検索したところ、お参りの所要時間は「通常参拝60分」とありました。

それを聞いたレインボーさん、「えー、やだぁ」と。

ですよねー。

 

レインボーさんにはただでさえ重たい米袋をいくつも運んでいますし、長距離の運転も任せっぱなし。それで更に約1時間も歩かせるのは申し訳ない。

いや、でも行きたい。4㎞なんてすぐやん!

 

「宇佐神宮! 今4㎞て看板にあったよ!」「えー(困惑)」

「ほら、もうあと2㎞て!」「えー(更に困惑)」

 

そして、レインボーさんにとっては無情にも(笑)、宇佐神宮の駐車場に差し掛かりました。

「本当に行くの?」「行きたい!」

という超我が儘な短いやり取りで、レインボーさんは素直に駐車場に入ってくれました。

ありがとう、愛してるわ(笑)

 

実は、私には物凄くこの場所でやりたいことがあったのです。それを成し遂げる為には、たとえ酷でもレインボーさんを付き合わせる必要があったのです。

 

境内に入り、広く清々しい空間の中を進みます。左手側の脇に、横に渡した太い竹筒からチョロチョロと水が流れ出しています。手水舎はもう少し先ですが、まだコロナが不安な方はここで清めれば良いのかな? とレインボーさんに話しかけたら、返ってきた言葉は「ごめん、何言ってんのか全然分かんない」でした。

神社仏閣にはまったく興味がないとは言われていましたが、そこまで全力な返しがくるとは思っておらず笑ってしまいました。

 

手水舎で作法を教えながら、お清めを済ませます。

手水舎の前が、例のお地蔵様に向かう分かれ道(立て看板あり)がありますので、レインボーさんにお地蔵様のことを話して「何かお願い事ある?」と尋ねましたが、特に無いとのこと。

今回はまっすぐに上宮に向かいます。

 

上宮へと続く鳥居まで来たところで、「絶望的な階段が見える……」と呻くような声で呟くレインボーさん。胸は痛みますが、笑って誤魔化しながら更に先に進みます。

 

そして遂に私の真の目的ポイントである、若宮神社の横まで来ました。石畳を凝視し続け、発見『夫婦石』!!

仲よく寄り添う夫婦石

皆さん宇佐神宮のジンクスってご存じですか? 祀られている神様が女性なので、カップルでお参りすると嫉妬されて別れてしまうのだそうです。

実際に別れてしまわれたカップルもいるそうですが、別れることなく順調に続いているカップルや、毎年初詣に訪れているご夫婦がいるのも事実のようです。

 

私の勝手な想像ですが、別れることになったカップルは元々ご縁がなかっただけなのではないかと思っています。それを見た神様が、「その相手はやめておきなさい」と縁を切らせてくれたのではないかな? と。神様は、きっと相手を見極めてくださっているのです(意見には個人差があります)

 

そもそもカップルに嫉妬する神様が祀られている境内に、夫婦石なんてあるものでしょうか。

向かい合うように敷かれた石に、カップルや夫婦であれば手をつないでそれぞれの石の上に立つと今後も円満に。おひとりさまであれば、両足でそれぞれの石の上に立つと良縁に恵まれるという夫婦石。

 

当然レインボーさんはそのようなパワースポットがあるなど知らないので、私が「あったー!」と喜んでいる様子を見てポカーン。そして、私から突然手をつながれて、石の上に立つように促されてかなり動揺していたと思います。いやぁ、申し訳ない(本心か?)

 

夫婦石からすぐのところに丁度ベンチがあって、汗だくのレインボーさんが少し休みたいというのでちょっと休憩。私たちのあとにも仲よく夫婦石の上に立って記念撮影をするカップルを眺めつつ、「これが目的で来たかったん?」との問いかけに「へへっ」と笑っておきました。

 

この後上宮にお参り。西大門や二之殿、三之殿が改修工事中で幕が張られていたのは残念でしたが、ご神木にレインボーさんの健康をお願いして下宮へ。

遠回りやん、とかまっすぐ帰ったらいけんの? とぼやくレインボーさんを宥めながら下宮のお参りも済ませたらようやく元来た道を戻ります。

 

レインボーさんは上宮でお守りを頂いていたのですが、その際の巫女さんの言葉に少々驚いていました。「〇〇円お納めください」とか「よくお参りいただきました」というワード。神社で縁起物やお守りを頂く際にはお決まりの言葉ですし、レインボーさんは毎年地元の神社へ初詣に行っているのは知っていたので、これらを知らなかったのが意外でした。

いつもおみくじ引くだけだったのかな? 来年は破魔矢か熊手でも頂きますか?

 

仲見世まで行く気力も失っているようだったレインボーさん。駐車場代はもちろん私が支払って、帰路につきます。

我が儘を通してごめんなさいと、ありがとうをたくさん伝えました。

 

最後に、上宮で引いたおみくじについてちょっとだけ。

運勢は「小吉」でしたが、「恋愛」の項目に書かれていた言葉が直球で衝撃的でした。

 

『この人を逃すな』

 

はい、大切にします。

 

今回は連載企画以来の長文になってしまいました。最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

すっかり秋めいてきました。うっかり寝冷えなんてなさいませんように。

では本日はこの辺で。

 

目指せ脂肪燃焼!

秋の涼しさを感じるようになりましたね。今朝はエアコンも扇風機も切って、窓から入る風だけで過ごしています。

 

フィットネスクラブに通うようになって約2週間。筋肉をつける為に、運動後にはタンパク質を摂取するように意識を始めました。お豆腐に納豆、チーズにヨーグルト、鶏肉などなど。

 

効果はというと、体脂肪率が3%落ちました! 凄い!

 

しかし、体重は相変わらずです。ずーっと横這いなのです。

 

お友達はその分筋肉がついてきたのだから、更に有酸素運動をあわせて頑張れば1~2週間後には変化があるだろうと励ましてくれます。そうだといいなぁ。

 

正直、あんまり自信ない。どうしても私という人間は一般的な人からは劣っていると感じてしまうから。

 

フィットネスクラブには毎日夕方に通っているので、帰宅してからまだ身体が温まっているいるところに有酸素運動をして、更に汗をかいたところでお風呂。そしてタンパク質中心の夕食という流れが良いかな?

 

1ケ月のみの体験入会なので、残りは日数は僅かです。それで体重の変化は望めるでしょうか?

マイナス10㎏はさすがに高望みが過ぎると自覚はしていますが、せめて5㎏は落としたいです。

そして太る前に着ていた洋服が、また着られるようになりたいのです。

 

先日SサイズのTシャツを出してみて、素で「ちっさ!」と声に出して言ってしまいました。今現在の体型がいかにデカいかということです。

お酒絡みのスタッフポロシャツなどもあるので、本気で痩せないとイベントにも参加出来ません。

 

完全に衣替えする前には絞りたいですね。コートなんて絶対に買い直したくないですもの。出費痛い。

 

さて、まだ夕方までにはたっぷり時間があるので、少しばかり有酸素運動でもしましょうかね。

痩せて、レインボーさんに褒めてもらいたいという秘かな狙いもあるのです。

 

レインボーさん、このブログ読んでるから書いちゃったら意味無いんだけどね。

 

それでは干した洗濯物とお天気の変化に注意して、今日も一日元気に頑張りましょう。

 

ダイエットの舵取り

主に有酸素運動と食事管理(糖質制限など)でダイエットを始めて約2ケ月が過ぎましたが、最初の半月ほどで4㎏落とせて以降まーったく体重が減りません。

「リバウンドしていないのが凄い」と励ましてくださる方もいて、確かに増えてもいないのでそこは効果があるとも思えますが、やはりグラフの線には下がってほしいです。

 

不思議なことに、体重が減ると体脂肪率が上がることがあります。これはもしかして、筋力が落ちているのでしょうか? 脂肪より重たい筋肉が減っているから、体脂肪率が上がってる?

いかん、それでは本末転倒。

 

ただでさえアラフィフです。体力低下待ったなし!

お年寄りが長い時間をかけてゆっくりお散歩している光景が、以前よりも気になるお年頃です。いくつまで杖なしで歩けるだろうかという不安さえよぎり始めています。

 

このままではいけない。今のダイエットのやり方では、これ以上の改善は望めない気がしてきました。

何か思い切った舵の切り方をしなければ。

 

そこで、今や誰もが知るマダム御用達フィットネスクラブのお試しキャンペーンに申し込むことにしました。1回30分、お買い物ついでに通えちゃう、あれです。

今回のキャンペーンは無料で1ケ月通い放題とのことで、今ならお仕事もしていないので時間はたっぷりあります。定休日以外は連日通う勢いで始めてみることにしました。

 

初回はクラブの説明とカルテ作り。そして12種類あるフィットネスマシンのうち、数台のお試しが出来ました。

カルテ作成は現在の健康状態や身体の気になる部分などをアンケート方式で応えていきます。そして現在の体重、体脂肪率、腹囲などの計測をしました。

 

その中で『骨格筋率』というものも計測してもらいました。要は、筋肉量ということだと私は解釈したのですが、間違えていたらごめんなさい。

標準の骨格筋率は「25.9%以上」なのだそうですが、なんと私の骨格筋率は僅か「22.2%」!

低すぎる!!

 

これまで有酸素運動を毎日頑張っていましたが、筋トレに切り替えるべき?

 

この事実をSNSで嘆いたところ、知人から「筋肉量が増えると、同じ運動量でも消費カロリーが増えるのでダイエット効率がアップするよ」とのアドバイスをいただきました。なるほど。

 

翌日からはフィットネスクラブで全種類のマシンを使って、30分みっちりトレーニング。

どのマシンもとてもシンプルなのですが、コーチさんの指導通りに動かすと結構キツいです。特にすべての動きを腹筋を意識するように言われたのですが、そのとおりにしてみるとかなり効きます。普段如何に自分がだらしない姿勢で生活しているかを痛感させられました。

 

まだ始まったばかりですが、筋肉量を増やすという新たな目標が定まりました。今こうしてパソコンのキーボードを叩いている間も、お腹に力を入れて背筋を伸ばすように意識しています。

久しく部屋の隅にいたダンベルも引っ張り出して、クラブのマシンと同じ効果のある運動を始めました。

 

目標は大きくマイナス10㎏! 欲を言えば更にマイナス3㎏。

たった3年足らずで2サイズもアップしてしまったスーツが、また着られるようになりたいのです。

 

1ヶ月後、どれだけ変化しているでしょうか。楽しみなような、不安なような……。

どちらにしても、結果はこちらでも報告する予定です。かなりぼかすけどね。

 

なんとなく、今日動かした筋肉がぽかぽかしているのを感じながら、本日はこの辺で。

地味な残暑が続いていますが、皆さまお身体ご自愛ください。