妙春堂の日常ーアラフィフ婚のすゝめー

アラフィフ婚にむけての日常つれづれ日記

ふたりの力関係

前回のブログラストに、明日は飲み放題のバスツアーへ行くと書きました。本日はその日の出来事について書いていこうと思います。

 

目的地は隣県の宮崎県。いつもお世話になっている旅行会社さんにとっては何度目かになるようですが、私がそちらを利用して県外へ出るのは初めて。へべれけさんの遠征ツアーです。

 

まず本日の予定ですが、宮崎県に入ったら取り敢えずトイレ休憩ということで道の駅「北川はゆま」さんへ立ち寄ります。こちらは事前情報でお酒の品揃えが良いと聞いていたので、バスの中で彼にも情報を共有しておきます。

続いては「千徳酒造株式会社」さん。日本最南端の日本酒蔵です。日本酒!! もうそれだけで私のテンションは爆上がりです。絶対に美味しい逸品を買って帰るのだと決意します。

その後は「佐藤焼酎製造場株式会社」さん。こちらの事前情報は観光蔵だということ。私は焼酎はあまり飲みつけないので、素敵な出会いがあるか気になるところです。

最後に昼食を摂る場所でもある「宮崎ひでじビール株式会社」さん。こちらでバーベキューとビールの飲み放題を頂きます。

酔ってお腹も膨れたら、再び北川はゆまさんのトイレ休憩を挟んで帰郷です。

 

実は以前から、彼とは宮崎県へ行ってみたいね、とは言っていました。それというのも、宮崎県内でのみ販売されている限定焼酎があるから。お酒が好きな方なら誰もが知っていると思うのですが、「霧島」です。霧島って商品名だけど、鹿児島県じゃなくて宮崎県の芋焼酎なんですよね。昔は私も勘違いしていました。

 

もともと関東に住むお兄さんが偶然飲む機会に恵まれて気に入り、「白い霧島を送ってほしい」と頼まれていたそうです。「白い霧島」って「白霧」か。近年は「黒霧島=黒霧」人気が高いから、白霧は飲んだことないな、なんて思っていました。

彼も同じように解釈していたらしく、白霧島なんてどこにでも売ってるけどなぁなんて思いながら送ってそうなのですが、お兄さんからは「違う」と。

調べてみると白いラベルの「霧島」は2種類あるらしく、ひとつは私たちがよく見掛ける「白霧島」。そしてもうひとつが宮崎県限定の「霧島」。

黒、赤、茜、金、虎斑は知ってたけど、そんな基本的な商品があることを今まで知らなった。同じ九州のお隣さんとして恥ずかしい。

 

そこで宮崎県で北川はゆまさんに着いたら、お酒コーナーへ行こうと決めていました。お互いに口には出していなかったけど、それはもう以心伝心で決定事項。

ただ、どうしてもお手洗いは女性の私の方が時間が掛かります。お手洗いを済ませて急いで売店のお酒コーナーを探します。出発時間が迫っているので、ゆっくりは出来ません。

店内奥がお酒コーナーと判明し、そちらへ向かっていると、向こうからツアーメンバーの代表であるF氏が歩いてきました。

「あ、彼くん限定霧島買ってたよ。2本」

「2本?」

「お兄さんの分だって」

「え! 私も欲しいのに!」

F氏と一旦別れて、慌てて奥へ向かいます。そこには既にレジに並んでいる彼がいました。手にはお酒の箱が3個。ん? 3本?

きょとんとする私に、彼が言った。

「いるやろ? あとでお金頂戴ね」

勿論だとも! 良かった、私の分は忘れていなかったんだ。

 

やがてふたりでバスに戻ると、先に席に着いていたF氏が彼の手元を見て「あれ? 3本に増えてる」と。

「私の分です」とにっこり微笑んでみせたところ、何を勘違いされてしまったのか「怒られてんやな」と。

違いますよ! なんで私の分も買ってないんか! とか迫ってないし、ちゃんと自分のは支払うし!

と、言い返したかったけど突然のことで上手く返せませんでした。なんか、間違いなく誤解されている気がする。悔しい。

 

宮崎県に着いて早速以前からの目的が達成できてしまい、即行で満足してしまったふたり。しかし、旅はまだ始まったばかり。

交通量の多い街中に現れる老舗の千徳酒造さんは、昔ながらの商家の雰囲気を醸し出す味わい深い外観です。年季は入っているけれど清潔な工場内を見学し、続いてみんな大好き試飲会。

 

中でも「にごりへべす」が私は気に入りました。

へべすというのは、カボスのような果実とのこと。カボスが分からないなら、すだちのでかいのがカボスで、それに似たのがへべすです。乱暴な解説ですみません。要は柑橘系です。

 

元来にごり酒は苦手な私ですが、火入れをしていないにごりは比較的平気です。このにごりへべすも火入れはしていないのかな? て、そこは聞いておけよ、て話ですね。

とろりとコクがあって甘くて、でも柑橘の爽やかさも感じられてとても美味しかったです。

 

でも買ったのは限定の本生ロックです。これは試飲が出ていなくて、だからこその冒険心での購入です。氷を浮かべていただくのがオススメの飲み方だそうです。

 

おまけでマスコットキャラクターの「わっしょい星人」のボールチェーンチャームを購入。シンプルで味わい深いキャラクターです。お気になりましたら是非検索してみてください。私はこういうの大好きです。

 

さて、バスはのどかな山々に囲まれた土地へと進み佐藤焼酎さんへ向かいます。先程の千徳さんとは違って、交通量は少なく、ライフジャケットを着た夏休みの小学生が自転車で走っていきます。工場の目の前を流れる祝子川(ほうりがわ)へ遊びに行くのでしょう。

 

祝子川は日本神話にも登場するそうで、あぁここは天孫降臨の地だったと身が引き締まる心持ちになります。

穏やかで澄んだ祝子川で川遊びをしている人たちを遠くから眺めつつ、工場見学を済ませて試飲と購買タイムです。

こちらは栗を使った商品が人気らしいのですが、私は栗焼酎よりも栗酒を推したいです。どちらも試飲して、どちらにも勿論良さがあるのですが、栗酒のとろりとした甘さに嬉しさを感じたのです。

 

私は買ってないけど(買ってないんかい)

 

既に霧島と千徳さんの生原酒を購入しているので、荷物が限界です。ごめんなさい。

ただ、彼がその栗酒を購入していました。いつか一緒に飲ませてほしいな、と思うけれど、たぶん自宅でひとりで飲むんですよ。私も自分で買ったものはひとりで飲み上げてしまいますしね。

 

そこからバスは更に山を登ります。遂に皆さんお待ちかねのバーベキューとひでじビールの飲み放題に向かいます。

私はビールもそんなに飲める方では無いのですが、夏ですよ。暑いですよ。そして山の上ですよ。きっとこんな私でも美味しく頂けること間違いなし!

 

私と彼はビールの提供小屋の近くに席を取ることが出来ました。お互いにプラカップが空きそうになったら、自分のも合わせて次をもらいに行く良い流れも出来ました。

私が焼くことの楽しさに目覚めてしまって、次々とわんこそば形式でお肉や野菜を彼のお皿に載せてしまった時は、ちょっと呆れて私にも食べるように促されてしまいましたが……。

 

ここでの誤算は、普段は大食漢なTさんが酔いすぎたのかお肉を食べられないと言い出し、その分が彼に回ってきてしまったこと。確かに彼も食べる方ですが、あれもこれもは無理があります。

出来るだけ私も手伝ったつもりですが、あまり役には立っていなかったかな。

あ、私も女性にしては食べる方だと思います。彼とふたりで年々ぷっくぷくしてきました。

 

途中、にわか雨に降られたりしましたが、タープもあったし、暑さが程よく和らいで寧ろ幸いでした。

小さな川の小さな魚なんかも眺めたりして、とても良い夏の一日を過ごせている実感が出来ました。

 

最後に購買で彼が、以前テレビ番組で紹介されていたという「栗黒ビール」を購入してから帰りのバスに乗り込みます。

気持ちよく酔ったし、お腹もタプタプのポンポコリン。良い買い物もして、宅飲みのお酒も充実です。

 

普段から地元県産酒ばかり飲んでいたので、こうして他県の地酒地ビールを楽しむ機会も新鮮で良いものです。歴史や特性も、もっと知りたいですね。

 

解散場所に到着後は、各々帰路に着きました。皆さんお疲れさまでした。

私はアパートへ帰るバスの時間までまだ間があったので、商店街の小さなお祭りで似顔絵を描いてもらったり彼とハイボールを飲んだりしてまったり。

彼は酔って疲れて汗だくの顔を描いてもらうのは嫌だとのことで、似顔絵は今回私だけ。そちらの作家さんには4年前からイベントで会うと毎回描いていただいてましたが、初めて描いてもらったのと比較すると見事に歳を重ねていることが分かって笑ってしまいました。

いつか彼とふたりで描いてもらいたい、それが今の野望のひとつです。

 

さてと、かなりの長文になってしまいました。

タイトルの「力関係」、勿論私と彼のことです。

どうなんでしょうね? どちらが強いとか弱いとか、私は感じていません。あ、もしかして私の方が強いのかな? 我が儘押し通してるの、いつも私だし。でも、似顔絵についてとかで彼から「嫌」とか「駄目」て言われたら、それ以上は言わずに引いてますよ。

 

バーベキューのお肉焼いてたのも、私の献身と尽くされる彼というより、私の楽しみに付き合わされて一方的に食べさせられている彼、とも受け取られます。

Fさんには私が霧島買わせたと思われてるし……。うーん、不本意。

そこの誤解はいつか解けるかな?