もう何年前のことでしょうか。
ある日の夜、兄が緊急入院したとの連絡が入りました。
病状は極めて悪く、急ぎ生体肝移植が必要になるかもしれないとのことでした。
なんと・・・
生体肝移植となると、兄一家からドナーを探す場合、兄嫁はまず除外です。両親ともに入院・手術となったら子供たちはどうなるのか。
兄の長女は既に成人でしたが、子煩悩な兄のことです。仮に長女が名乗りを上げても、自分の為に娘の体にメスなんて入れさせないでしょう。
長男と次男はまだ未成年。そして母は年齢的なこともあるでしょう。
消去法の結果、はい、私しかいませんね。
姉と妹は県外だし、それぞれに家庭があって子供たちはまだ小さい。
私はと言えば、実家近くでのひとり住まい。身軽なもんです。
やっぱり私しかいないよね~!てことで、ひとり覚悟を決めて次の連絡を待っていました。
翌日、母から連絡がありました。
兄、奇跡的な復活を見せ無事退院。
・・・は?
医者をも驚愕させる回復力で、担ぎ込まれた時には異常な数値だったものが、一晩で正常値に落ち着いたというのです。
兄、超人か。
ひとまず私がドナーになることはなくなり、ホッと胸を撫で下ろしたのでした。
(後日妹からも、もしもの時は姉ちゃんがドナーだな、と思っていたと聞きました)
のちに、これが原因だったのではという出来事を聞かせてもらったのですが、直前に山羊の生肉を食べていたとか。・・・アホですか?
皆さま、生食にはくれぐれもお気をつけください。