アラフィフ婚のすゝめ

アラフィフ婚夫婦の日常つれづれ日記

【連載】アラフィフ婚への道21「今日お嫁にいきます」(親族唖然のもぐもぐタイム)

ケーキ入刀、ファーストバイトもサプライズバイトも爆笑の中、つつがなく終了。

 

席に着き、何をするかと言えば当然『食べる!』

 

既にテーブルにはパンとデザートも置かれている。早く食べたい!

 

場内は歓談タイムなのか、急に静かになり、照明が落とされてカーテンが閉められる。

次、何があったかな? あ、余興のカラオケの準備かな。じゃあそれまで今のうちに食べちゃおう。正面に手付かずの魚料理があるので、それをちゃっちゃと片付ける。

 

魚料理を完食。続いてメインの肉料理に取り掛かるが、皿の位置は10時方向。うぬ、食べにくい。

 

普段なら自分で皿の位置を入れ替えるくらいはするが、今は色打掛姿である。袖をうっかり汚しそうで迂闊に動けない。ぐいっと身体に角度をつけて、やや強引にナイフとフォークで肉を捌いてお口に運ぶ。

柔らかくて美味しいー。このお料理にして本当に良かった。

 

その頃にはBGMにピアノ演奏でディズニー映画『ピノキオ』の「星に願いを」が流れ始めている。

あれ? この曲は選んでいないな。ディズニー曲はフレンドライクミーだけだったのに。

 

不思議に思っていると、正面の大きなスクリーンが上がり、そこにはカラオケを披露してくれるはずだった友人が立っている。その横には、司会をしていたはずのさっしーさんが電子ピアノでこのBGMを生演奏していた。

 

え、こんな演出知らないよ? サプライズ? やられたー!

 

驚きつつ、メインの付け合わせをパパっと口に放り込み、友人のちょっとした小ネタに笑い、気恥ずかしくなるスピーチに照れる。

 

私と虹夫さんは、そもそも私が惚れられたという流れから始まっているが、今はすっかり私が惚れこんでいる。そんなこともネタにされて妹たちの反応が気になるところだ。

 

友人からの歌のプレゼントは、ミーシャの『アイノカタチ』。プロ並みの歌唱力に聴き入る。

 

素敵な歌のプレゼントの後、切り分けられたウェディングケーキがお祝いのハート型のプレートと共に運ばれてきた。これは食べるのもう無理だろうな。でもプレートだけでも記念に欲しいな。

 

なんて思っている間にあっさりと花嫁の手紙のお時間。

再び照明が落とされて、私たちにスポットライトがあたる。熱い。

 

キャプテン氏から預けていた手紙を受け取り、虹夫さんにマイクを持ってもらう。

手紙の内容は便箋4枚にわたり、虹夫さん地味にビビる。

 

ピアノ演奏の『糸』に合わせて、私の手紙は次のように展開した。

 

 

皆さま、本日は遅すぎたふたりの門出にお越しくださり、本当にありがとうございます。

(ここで最初の笑いが起きる)

 

長年私たちの関係を辛抱強く見守り、痺れを切らしていたお友達の皆さまには、ようやくこの日を見届けていただけることを心から嬉しく思います。

(一番後押ししてくれていた友人が「本当や!」と野次を飛ばし、思わず「ごめんなさい」と返す)

 

皆さまもご存じのように、私は既に初々しさもなく、未熟というにはトウが立ち、あとは枯れるだけだと思っていました。

実は秘かに、いずれは実家の墓に入れてもらえないだろうかと思い、兄の子供たちに相談する必要があるとも考えていました。

姪っ子ちゃん、甥っ子ちゃん、安心してください。叔母ちゃんは虹夫さんの家のお墓に入ることが約束されました。

(ここで割れんばかりの大爆笑)

 

 

この後は、20年前に他界した父へ、私のような問題児を嫁に迎えてくれる虹夫さんのご家族に感謝してくださいとか(ここでも笑いが起きた)、母にはこれまでお互いに言いたい放題言い合ってきたので、もうこの場で話すことはありませんとか、結構な内容だった。

 

そして後半には、虹夫さんのご両親への想いを綴り、最後の挨拶に虹夫さんの姓に私の名前を合わせて手紙を締めくくった。

 

なんという達成感。思いがけず大爆笑を頂いてしまった。

私の書いた文章でたくさんの方を楽しませることが出来たことが嬉しくて、完全にふわふわと舞い上がる。

 

この1年ほど、かなり書くことへの気持ちが再燃しているので、なんだか調子に乗ってしまいそうだ。

 

こうして、手紙を添えた花束を母に贈り、兄にはブートニアを。

BGMは島津亜矢の『The Rose』。

続いてエドシーランの『Thinking Out Loud』の中、新郎と新郎父の挨拶で披露宴は幕を閉じた。

 

 

長かったし、あっという間だった。

 

姉と妹からは「しっかり食べてる」と呆れらた。余興前の僅かな時間に高砂のふたりが黙々と料理を食べている姿がゲスト席からよく見えており、「この時間はなんだ? もぐもぐタイムか?」と困惑されていたことがのちに判明する。

 

それでもデザートは食べそびれたし、プレートもそうそうに処分されてしまっており、若干の心残りは生じてしまった。

そこは私が早く申し出なかったのが悪いので仕方がない。

 

 

次回、祭のあとへ続く。