披露宴用に髪飾りをティアラとベールから、小振りの胡蝶蘭へと変更。
再び長い階段を降りる形での披露宴入場に備える私と虹夫さん。
会場では友人からプレゼントされたオープニングムービーが氣志團の結婚闘魂行進曲「マブダチ」のBGMで流れる。
扉が開き、ブルーノマーズの「MARRY YOU」が流れる中を、キャプテン氏の先導を受けて厳かに躓きながらの入場(それはもういい)
因みにこのBGMはノリが軽いという意見もあるらしいが、それが私には素敵だと感じたのでお願いした。私のように50手前までグズグズしているのもどうかと思うのだ。
乾杯は沖縄そばの大将の音頭。その瞬間にディズニー映画「アラジン」の「フレンドライクミー」が流れ、いよいよ酒飲みの友人や親族の我慢が解放される。この曲は結婚式に合うのか? とも思ったが、友人たちとこれから楽しく飲もうという雰囲気にも良いだろうと考えると間違いではなかったと思う。
そして皆さん、まぁ飲まれる飲まれる。
ウェルカムスペースの希少酒を開けてくれとか、高砂横に鎮座する菰樽のお酒はいつ飲めるのかとか。わかってはいたけれど、ちょっと落ち着こうか。
暫くの間をおいて、改めて葉加瀬太郎の演奏曲「万讃歌」をBGMに酒飲み待望の鏡開き。
ウェディングドレスでの鏡開きは珍しいとは思うが、それもまた面白いだろう。アラフィフの挙式披露宴がもう既に普通じゃないのだから、もはやなんでもありだ。
樽酒の中身は八鹿酒造の笑門(しょうもん)。地元のスーパーならどこででも入手可能な一般的なお酒で、それが寧ろ私はこれまで手を伸ばすことはなかった。
わざわざお金を出すなら、珍しいとか限定とかを買ってしまう私。それを今回はかなり反省した。
樽や桝から滲み出る木の風味も手伝っているかもしれないが、美味しいじゃないか笑門。これはリピである。
八鹿酒造の専務さんも言っていた。うちで一番うまいのは笑門だ、と。
その専務さんからのご厚意で、なんと今回は桝のプレゼント付き。
その桝にはブーケの追加を要求した友人の会社に依頼して、私と虹夫さんの花個紋をレーザーで焼いてもらっている。
こうして見なくても、本当にこの挙式と披露宴は多くの人の助けと優しさを受けて成り立っている。
共通の友人のスピーチもあり、あっという間にお色直しの時間が来た。
え、まだこれ食べたい、というお料理も我慢して席を立つ。
結婚式というのは、特に新婦はまともに食事など出来ないと聞いていた。特に姉からは披露宴の最中は食べる余裕はないし、披露宴後にワンプレートで用意してもらっていても落ち着いて全部食べるなんて出来なかったと聞いていた。
それなら披露宴の最中に頑張って食べようぜ! が虹夫さんとのこの日の目標だった。
この色気のなさも、アラフィフ婚ならではかもしれない。
お色直しはまずは私から。エスコートは事前に母に頼んでいた。
しかし、司会のさっしーさんから名前を呼ばれた母、見ているこちらが驚くほどキョロキョロキョロキョロ。貴女、話しておいたでしょうが、まぁどうせ忘れるとは思っていたけども。
高砂前に来た母に、更に司会からアナウンスが続く。
この10日前に、母は77歳の喜寿になっていた。間の悪いことに当日は持病の影響で入院していたが、以前からこの披露宴でサプライズで喜寿祝いをしようと兄弟で話をしていた。
プランナーさんもさっしーさんもその案を後押ししてくれて、兄の準備した紫のちゃんちゃんこと帽子を母に着せる。
エスコートさえ忘れていた母だ。驚いてはいたが、嬉しそうに笑ってくれた。
私と手を繋いで、どっちがエスコートしてるのだか分からなくなりながらもアリアナグランデの「Lovin` it」で中座した。
母の手はすっかり肌に張りがなかったし、小さくなっていた。お腹だけは出てるのに……。
しまった、人の体型のことは言えないんだった。
私は知らなかったが、この時私と母の後ろでは、姉と妹が凄い勢いでドレスの裾をさばいてくれていたらしい。Aラインのトレーンの長いデザインだったので、それでなくてもさばくの大変だったのでとても助かった。
ロビーでは父の遺影とも一緒に記念撮影。
その後の会場では虹夫さんもお母さまのエスコートで中座したのだけれど、そちらは最初からサプライズだった。BGMは氷川きよしの「碧し」
奇しくもどちらも母親にもサプライズをしかける形での中座となった。
次回、和装チェンジのゲストどっきり。クリームまみれの花嫁編へと続く。