妙春堂の日常ーアラフィフ婚のすゝめー

アラフィフ婚にむけての日常つれづれ日記

【連載】汚部屋からの脱却⑤「エアコン交換の行方」

そろそろ朝夕は涼しくなってきましたが、今回は6月半ばのお話です。

これから酷暑が押し寄せてくるという、命の危険を感じる季節です。レインボー氏のおかげで命を救われたと思っています。それではどうぞ。

 

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私の住む部屋は、元々エアコンが設置されていた。22年前に入居した年の夏に2~3回程使ってみたけれど、なんか臭いし電気のメーターが凄い勢いで回るので、それ以来放置。近年の致死率を上げてくる夏の熱波にも、扇風機と保冷剤で生き抜いてきた。今年もそうするつもりでいた。

 

それを知ったレインボー氏は全力で驚愕し、呆れ、エアコンを使えと説得してきた。熱中症を心配してくれたわけだ。

 

いえね、元々の設備として付いていたのだから、オーナーか管理会社に言えば、おそらく新しいものに交換してもらえると思うのです。だって、少なくとも22年前の段階ですらかなり年季を感じられていたのだもの。

 

でもね、ほら、うちって汚部屋じゃないですか。業者さんに入ってもらうわけにはいかないんですよ。片付ければ良いだけなのは分かってるんですけどね。

 

なんて、ダラダラと聞き流していたけれど、いよいよその汚部屋が片付いてきたことでレインボー氏が部屋に来ることが現実的になり、エアコンを使わないという選択肢を奪われかねない状況になった。

 

更に言うと、実はこのアパートは一度オーナーが変わっており、その際に住人が入れ替わるタイミングで玄関のチャイムをカメラ付きのドアホンに交換していくようになっていた。

1度、前オーナー時代からの入居者あてに無料でドアホンの付け替え工事をするので、希望者は連絡をするよう案内を受けていたのだけど、その当時は汚部屋とまではいかずとも、作業に2時間程掛かるというのが面倒だなと思って連絡をしなかった。

 

どうせエアコンを交換してもらうことになるなら、同時にドアホンも交換してもらえないだろうか。

 

意を決して、まずは管理会社のフリーダイヤルにかけてみる。すると、内容を聞いたオペレータから「管理部の担当者より折り返しご連絡を差し上げます」との返答。待つこと2時間。長いよ。

 

これまでに管理会社から送られてきていた郵便物を探し出し、管理部の番号が記載された書類を見つけたので、直接そちらに電話をかけてみた。すると、折り返しが遅れたことへの謝罪の後に、今回の内容については「お客様サービス課が担当なので、今から言う番号にかけ直してください」と。たらい回しとはこのことか。

 

まあ、担当違いな以上は、それぞれのスタッフがそう言わざるを得ないのは仕方のないこと。

 

改めて教えてもらった電話番号にかけ直して事情を話したところ、さすが担当部署。すぐに話が通じた。エアコンについては故障していない場合は交換は難しいかもしれないと前置きされた上で、オーナーさんに連絡を取ってくれることに。

 

数分後、エアコンもドアホンも交換OKとの回答を得られた。ただし、まずは型番を確認しさせてもらってからになるとのこと。日程はオーナーさんか業者さんから連絡があります、と。

 

ふむ、では業者さんが入るのは2日間に渡るということか、とその場では理解した。まずは日程調整の連絡を待とう。

 

しかし、その日はそれ以降電話がかかってくることはなかった。

 

翌日も、午後になっても連絡はない。不安になって再度お客様サービス課に電話をしてみると、幸い前日に対応してくれた方が出た。そこで連絡には数日かかる可能性があることと、請負業者名まで教えてもらえた。

 

待つ時間が分かれば不安も無くなる。こちらにはいくらでも時間がある。実は訳あって、現在私は無職なのだ。

 

その翌日の昼十二時過ぎ、業者さんから電話が入る。何故かとても申し訳なさそうに、次の火曜日の昼過ぎにどうかと提案された。それの逃すと、どうやら工事はかなり先になるらしい。私、即決。驚く業者さん。おそらく「平日の昼間なんて仕事してるから無理!」と言われてしまうと思っていたのではないかな? 大丈夫! 私今、無職なんで!

 

管理会社からの話と一点だけ違ったのは、訪問はその日のみということ。既に商品は確保されており、その日に2件とも工事を完了してくれるというのだ。ありがちな伝達ミスというべきか。これで実はもっと日数掛かります、とかだったら勘弁してくれ、と思ってしまうけれど、2日掛かりと思っていたのが1日で済むのならありがたい。夏の暑さが本番を迎える前にエアコンが入るなんて願ったり叶ったりだ。

 

さてここからまた汚部屋との闘いが始まる。

 

部屋の配置上、エアコンの工事をするなら折りたたみベッドを畳まないといけない。ベッドの下には大量のVHSがある。だが我が家にはビデオデッキはとっくに無い。もう捨てちゃおう。

 

一応一本ずつタイトルなどを確認していたのだか、その中からアニメ『闇の司法官ジャッジ』と朗読劇『火の鳥 黎明編』が出てきた。貴重!

この2本だけ、そのうちダビングサービスに頼むことにして手許に残した。後はすべて廃棄! 本数は確認していないけれど、大型紙袋4つ分はあったかと思う。

 

VHSを処分し、ベッドを折りたたんだ状態で部屋を眺めていたら、網戸が気になりだした。経年劣化でボロボロのところ、張り替えようにも網戸がはずせずに継ぎはぎで補修した網戸。知人から「網戸は縫うものじゃない。張り替えるものだ」と言われて、更に網戸の外し方(上部の金具を弛める)も教えてもらっていたので、早速100円ショップで材料や道具を揃えて取り掛かった。子供の頃に実家で手伝ったことがあるので手順は分かる。

 

生憎ベランダのスペースが狭く、立て掛ける形での作業になったのでかなり手こずったし肩が凝ってしまったけれど、なんとか完成。専門家から見たら失笑物の仕上がりだろうけれど。

 

さて、網戸が綺麗になると、今度は窓の汚れが気になりだした。冬の結露から発生したカビもある。重曹水をかけてみたところ、あっさりカビが落ちたので更に水拭きからの乾拭き。何故か拭き痕が残ってしまうのが不満だが、まあ元よりはずっと綺麗になった。

 

そして、次はカーテンの汚れが気になりだした。2日に分けて、レースと厚手のカーテンを洗濯した。洗い水が墨のように真っ黒になったのはここだけの話だ(レースは2度洗い、厚手は3度洗いした)

 

そして、遂にエアコンとドアホンの交換工事の日がきた。作業員の方は2名。それぞれがひとりで作業に取り掛かってくれた。予告通り、約2時間で完了。

 

旧型のエアコンは、実はエアコンとは名ばかりで冷房と送風の機能しかなかったのだけど、新型は暖房機能も当然付いている。そして、お掃除機能まで付いていた。これには驚いた。オーナーさん、太っ腹!

 

実は不燃ごみ9袋の中に、物凄く古いヒーターが二つ入っていた。そのヒーターの前だけ暖かくなるシロモノで、部屋全体が温まることはなかった。そんなささやかな暖の取り方で何年もの冬を越してきた私。

 

本当に、なんでもっと早くに部屋を片付けて業者さんに入ってもらわなかったのか。

 

……はい、だらしないだけです。

 

レインボー氏を部屋に呼びたいと思わなければ、この先もこうはならなかっただろう。レインボー氏には工事の開始と完了の連絡をしておいた。これで暑がりの彼も、この部屋に来ようかと思ってくれるだろうか。

 

今回の出来事は、思い立ってから完了まで2週間足らずだった。長年変化を嫌っていた私からは衝撃的な展開だ。今後もまだ何か起きそうな予感がする。

 

【続く……】