妙春堂の日常ーアラフィフ婚のすゝめー

アラフィフ婚にむけての日常つれづれ日記

ロスとの付き合いかた

2022.05.09

先日読んだ田村セツコ先生の著作『孤独ぎらいのひとり好き』の中に、「ペットロスという孤独の乗り越え方」という章があります。

 

愛するペットを失うことで起きるペットロス。本当に悲しく苦しいことだけれど、それを乗り越える良い方法は、新しいペットを飼うことだそうです。

前のペットに悪いと思うこともあるそうだけど、新しいペットで別の愛情が生まれるのだとか。

 

勿論賛否両論あると思います。私個人としては、そう出来れば良かったな、です。

 

私は新しい別の愛情を生むことが出来ずにいます。もう22年も。

 

2000年5月10日、俳優・塩沢兼人さんは亡くなりました。自宅で階段から転落し、脳挫傷。46歳でした。

以来、ずっとロスです。

 

兼人さんのいない世界で生きている意味を見いだせないまま、22年。なんで私、今も生きてるの? なんて考えもよぎりつつ、よく頑張っています。

 

46歳なんてまだお若いですよ。今、その歳になったから言えます。

当時はずっとおじさんだと思っていたけれど、実際になってみたら全然! まだまだ至らないところばかりだと思うし、やりたいことも出来ることもいっぱいある。

 

そんな途上で突然人生を終えられた兼人さんを思うと涙が溢れます。

まぁ、休みだからって昼間からお酒飲んで泥酔していたのが要因だったというのはどうかと思いますけど。足もお悪かったそうだし。

 

これだけの年月ですから、当然他に素敵な俳優さんに興味を持ったりもしましたし、現実の世界で好きな人も出来たりしましたよ。

でも、ロスは解消しませんでした。

それどころか、益々兼人さんへの気持ちが明確になってその偉大さを痛感することになるのです。

 

明日の命日には、兼人さんの出演DVDを鑑賞しながらとっておきの日本酒を頂きます。

兼人さんが好きだというだけの理由が高じて、私も大好きになった日本酒。まさか酒米の田植えや刈り取りにまで参加することになるとは思いませんでしたが。

そのお米で醸された今年の百合仕込み(井上酒造)が、明日のお供えです。

 

お供えついでに報告もしますよ。このお酒、私が植えたお米で造られたんですよ、て。兼人さんだって、いくら日本酒好きでもそこまではしたことないでしょう? て。

マウントじゃないですよ。あなたのファンには、こんな変な奴もいるっていう報告です。

 

生きていけない、なんて言いながら、結局その享年に追い付いてしまったな。案外私、太々しい。

 

明日はお休みを頂いています。転倒しない程度に酔って、大切な人を想います。

それでは本日はこの辺で。おやすみなさい。