何かの流れで、影木栄貴先生の著書『50婚 影木、おひとり様やめるってよ』を知る。
影木先生と言えば歌手のDAIGOさんの姉でBL漫画の作家さんだということは知っていた。
申し訳ないことに作品は読んだことはないのだけど。
と言うのも、塩沢兼人氏が亡くなって以降24年、私は新作のアニメや漫画からはすっかり縁遠くなってしまった。BLが当時「やおい」と言われていたのも、今はもうずっと遠い昔の話。
けれど、テーマが熟年の域に達しての結婚ならば話は別。
私自身が長く『アラフィフ婚』をテーマにこうしてブログを書いている。
これは是非いろんな意味で勉強をさせて頂きたいと、早速書店の在庫検索をかける。今年の2月頃に発売されたばかりなので、さいわいまだ在庫はあるようだ。
『ライトエッセイ』という聞きなれないジャンルに分類にされているのが気になったが、『ロードス島戦記』だって当時ライトノベルなんて言われてなかったしな。
まさか、『吸血鬼ハンターD』や『アルスラーン戦記』も今でいうライトノベルなのだろうか。
なんか気になるけど、それはまぁいつか調べよう。
さて、早速お目当ての書籍を購入。
読み始めて納得。これは確かに読みやすく「ライト」という表現がぴったりだ。
この数年特に読書から遠ざかっていた私は、漫画ですら読むのが億劫になって積読が増えた。大好きな永久保貴一先生の漫画も、北大路公子先生のエッセイも後回し後回し。
もうね、活字を追うのがキツイ。疲れる。
まだ40代半ばだというのに。これで還暦になる頃には私は何を趣味に生きているんだか。
それが影木先生のライトエッセイはとても軽快な文体に構成、楽しくさくさくページをめくる手が進む。語弊を生むようで嫌だが、確かに重厚な文学作品ではない。
だが、自身の気持ちを軽やかに明るくざっくばらんに公開するのに、こんなに適した表現方法は無いだろう。
普段は漫画を描いておられる訳だが、こうして文章だけでも自己表現が出来るなんて、なんて多才な方だろう。羨ましい。
考えてみれば私も幼少期、性についてはかなりの強迫観念を抱いていた。
テレビや雑誌のこうしたものは見ちゃいけません! に、私は正直に従った。私はそういった世界に関わってはいけないのだと思っていた。素直だったのだ。
影木先生と異なるのは、「性」は私とは無縁の世界だと思って興味も持たなかった点だろう。
それもすべて虹夫さんに出会って世界が180度変わってしまったわけなのだけど。
そんな虹夫さんとの結婚式をいよいよ明日に控え、今日はウェルカムスペースの飾りつけを確認してきた。
昨日は最終フィッティングやドレスを着ての歩き方(ウェディングステップ)の練習をしてきた。ドレスの裾踏みまくりで、不安しかない。
そして、その日の午後、市の支所の時間外受付で婚姻届を提出してきた。
実にあっさりと書いているが、ここまではそれなりに長かった。
書き損じがあってはならないと、何日もかけて複数枚の婚姻届を集めた日々。
念の為にゼクシィの付録である婚姻届もストックした。
いつもお世話になっているダイニングバーのオーナーとバイトさんに保証人になってもらい、その複数枚すべてに署名をしてもらった。
これはなかなか迷惑だったのではないかと後から思ったが、どこかのサイトに書いていたのだ。提出時に不備が見つかったらすぐに新たに書き直せるように、保証人のサインはあらかじめ何枚か書いておいてもらうとよいでしょう、と。
そして先日の、いつ提出するか問題。
提出日を結婚記念日にしたい私と、時間外でも出したその日が入籍日だろうという虹夫さんで一悶着した、あれ。
結局、提出日よりも一緒に提出したいというお互いの気持ちを擦り合わせて、その結果が昨日の提出となったのだった。
一夜明け、虹夫さんと同じ姓になった私。
行政や金融関係の改正手続きはもう暫く先だけれど、明日市役所が開庁して処理が済めば、改めて私はそれまでの戸籍を離れる。
出来るなら早く金融機関行脚を含めて手続きを終えてしまいたいのだけど、虹夫さんは「お盆で良くね?」と。
確かにまとまった休みではあるけど、こういうのって1週間程度の間に完了させておくべきなんじゃないかな?
こういう煩わしさを考えると、やはり選択的夫婦別姓の法案は早々に通すべきだと思う。
実は先程親しくさせて頂いてる酒造会社の社長さんからお花が届いた。
私の鬱病が本当にピークで苦しんでいた頃に出会った方で、その突き抜けた明るさと前向きさに強く励まされた。
朝ドラの主人公に取り上げてほしいくらいだと秘かに憧れているその社長からの思いがけないプレゼントに、感激して打ち震える。
受け取りのサインをするときに、勢いで旧姓で書き殴って一瞬焦ったけれど、旧姓あてに届いたのだからいいのか、と思い直した。
当分、こういった失敗はしてしまうだろう。こればかりは慣れだ。
ところで、結婚記念日は挙式日と入籍日、自由に選んで良いらしい。
つまり、明日は私たちの結婚記念日だ。