アラフィフ婚のすゝめ

アラフィフ婚夫婦の日常つれづれ日記

【連載】アラフィフ婚への道⑧慌ただしい打ち合わせラッシュ

ここからは一気に約一ヶ月分を書き上げていこうと思う。

なんと言っても、これを書いているのが挙式日まで一ヶ月を切っている。時間がない。

 

 

5月下旬、試食会に参加。

セントクレアヒルズさんからは、是非ご両親も招待してご参加くださいと案内されていたが、私と虹夫さんは当人のみで参加。

 

当初から虹夫さんのお父さん「料理はケチるな」と強く言われていたのもあって、お料理にはこだわることに決めていた。

そこで、虹夫さんは16,000円のコース。私が14,000円のコースで注文。お互いに料理を仲よくしシェアしながら、食材や盛り付けの印象などを吟味した。

 

結果、ベースは16,000円のコースにして、一部の内容を14,000円の料理に変更することにした。

 

ここが大分県ということもあり、どうしてもメインディッシュの中に虹夫さんの嫌いな椎茸が入っているが、そこは我慢してもらうか私が食べる。

 

 

6月初旬、虹夫さんのお父さんが遂に決意し、モーニングの衣装合わせに式場に赴いてくださった。

ナビがあるから大丈夫、と思っていたら少し迷ったらしい。衣装部の方から虹夫さんに「お父さまがまだいらっしゃいません」と、心配のお電話がかかってきたタイミングでお父さんとお母さんが到着したのは暫くネタになった。

 

同日には私のヘアメイクや装花の打ち合わせがされた。

すべてが着々と進んでいたが、この日の私のうっかりで、後日少々プランナーさんたちをあわてさせてしまうことになる。

 

 

6月中旬、虹夫さんの実家の田植えに参加……の予定が体調不良により急遽不参加。

決して田植えが嫌で仮病を使った訳ではないことは分かってほしい。

日焼けは怖かったが、農家に一員に加えて頂く最初の行事になる筈だった。楽しみでもあったのだ。

 

前日から泊まり込みで朝早くから作業に入る予定で、私も虹夫さんのご家族も準備をしていたので残念感が半端ない。

 

 

その2日後は、互助会のプランに入っていたブライダルエステを受けてきた。

私も昔エステティシャンをしていたこともあったが、技術は褒められたが如何せん営業能力が無く。早々にその道を外れた。

 

私が修行したエステはマッサージの施術に力を入れていたのだけど、今回受けたエステは複数のジェルを塗布して皮膚の老廃物を取り除いて美容要素を浸透させる……というようなものらしい。

説明を聞いたが、私の理解が追い付かなかった。恥ずかしい。

 

エステの後は虹夫さんを合流して、セントクレアヒルズさんでBGMの打ち合わせ。

 

私と虹夫さん、お互いに1曲だけどうしても外せない曲を選んでいたのだけれど、私の方は使用するシーンを選ぶものだった。そのシーンとは、式の花嫁の入場曲。

 

しかし、挙式の間の曲は式場のお任せというルールがあり、どうしても受けてはもらえなかった。大変残念ではあるけれど、ルールはルール。仕方がない。

 

因みにその曲は、映画『サウンドオブミュージック』の「行進聖歌とマリア」。

修道女見習いだったマリアが、愛から目を逸らして修道女になろうとしていた。でも院長の言葉に押され、自分の心に正直になってトラップ大佐と結婚する。

その姿を、これまで厳しく優しく見守ってくれていた院長やシスターに見送られて、ひとりでバージンロードを歩いて大佐をもとへ向かうマリアが本当に美しくて格好良いのです。

 

使いたかったなぁ(未練がましい)

 

その反動というか、最終的には全体の8割方は私の提案した曲が採用されたように思う。

 

BGMを担当してくださった方は、元々ご自身もウェディングプランナーをされており、式場の支配人などを経て音響の会社を興されたとのこと。さすが現場で実践を重ねてこられた方なので、シーンを効果的に演出する曲の提案なども、とても説得力があった。

 

なかでも私が印象に残ったのは、「新婦さんの声を聴いていたら、オルゴール調の曲は合わない」というもの。

花嫁の手紙のBGMにはピアノ曲を提案されて、妙に納得した。

 

因みに虹夫さんが使いたかった曲は、私がこのシーンで使ってはどうか、という案を採用してもらえた。大満足の結果になった。

 

 

更に翌日はウェディングケーキと生い立ちムービーの画像選び。

ケーキは姪のアレルギーと私の苦手な果物を伝えて、それらを使用しない形でフルーツ盛り盛りで依頼した。

 

生い立ちムービーの画像は、本当に私の中学高校時代の写真が見つからず、取り敢えず私から提出できるまともな写真に合わせて、虹夫さんも同じ時期の写真を提供してもらった。

BGMはお任せにした。

 

加えて披露宴のラストに流すエンドロールの曲もこの日決定することになっていたのだが、プランナーさんからの「エンドロールの曲は長ければ長いだけ映像も長く作れますよ」のアドバイスに従い、探しに探して5分の洋楽を見つけた。

 

基本的に私が提案した曲は洋楽。日本語の曲だと、耳が歌詞を追ってしまって言葉の意味にシーンの印象を左右されそうな気がしたから。

たぶん虹夫さんは「考えすぎ!」と笑いそうだけれど、私はそいうところが気になるのです。

 

 

と言ったところで、本日はここまで。

次回は体力の限界に挑んだ(大袈裟)、前撮りについて書いていく予定です。

どさくさ紛れにウェディングドレス3着も着ちゃったお話です。

 

【連載】アラフィフ婚への道⑦父と兄とモーニング

問題が起きた。

虹夫さんのお父さんが、衣装は私の兄と合わせると言い出した。

 

いやいや、うちの兄は礼服の予定ですが、お父さんはモーニングでしょう。合わせちゃダメです。

どうやらお父さんはモーニングを着ることに抵抗がある様子。

 

考えてみると、兄が結婚した時の父はモーニングではなく礼服だったように思う。だがもう25年以上も昔の話で、現在では新郎新婦の父親はモーニングが当たり前のようである。

いくつかマナー講座のサイトなどを巡ってみたが、やはりどこも同じことばかり書いている。

 

虹夫さんのお兄さんと弟さんが結婚した頃もうちの兄の頃とあまり違わないので、当時のお父さんもモーニングは着ていない。今更感はあるのかもしれない。

 

兄に打診してみると、さすがにお相手のお父さんと同格の衣装は着ることが出来ないとのこと。

それでも数日考えてくれたのか、お父さんがどうしてもというならモーニングを着ても良いとの返事をもらった。どう見ても、文字から「不本意」と裏の声が聞こえてきそうだった。

 

 

そうこうしているうちに、2回目の衣装合わせの日が来た。

この日は虹夫さんのタキシードと紋付袴、私の色打掛、両家の母の留袖を決めることになっていた。

 

まずは虹夫さんのタキシード。お好きな色やデザインはありますか? という質問に対し、「とにかく入ればいいです」と率直に返す虹夫さん。

大きいんですよ、私も虹夫さんも。

 

大きいサイズのあるデザインをふたつ用意してもらい、着比べてみる。ジャケットが入った方で決定したものの、今度はズボンがキツイ。

これが入らなければ取り寄せで追加料金がかかるラインでズボンが入った。良かった!

 

次は紋付袴。これは特に問題もなく即決したのだけれど、その試着姿に私が盛大にツボってしまう。

だって! とんでもなく似合っていたのですよ!

 

どこの親方だよ! と、虹夫さんのお母さんや私の母がいる前で大爆笑。

この姿を友人たちに見せないなんて勿体ない! 前撮りだけで済ませるなんて出来ない。

この凛々しく頼もしい姿をみんなに見せたいと強く思った私。

 

両家の母の留袖選びでは、それぞれの好みの色味や柄の傾向が分かって面白かった。

お腹周りが大変ヤバい母は、どうしても着崩れてしまうので追加料金でサイズを上げてもらった。

 

なかなかありません、和装でサイズアップとか。

 

そしていよいよ私の色打掛選びです。

青を基調とした素敵な打掛を纏ってみると、虹夫さんのお母さんが絶賛。お母さんが選んだ留袖も青や紫といった色味が基調となっていて、上品な印象だった。

 

これで決定かな、と思っていたところ、母が異議を唱えた。「赤がいい」と。

 

赤とか、普通過ぎないかな? と思っていたのだけど、あまりに強く母が主張するので担当者さんにサンプル画像を見せてもらう。

 

因みにここまでの衣装合わせでは、ウェディングドレスも含めてすべて直に現物を見て手に取って選んでいたが、打掛だけはタブレットで見た画像で選び、そこから現物を出して来てもらう形式だった。

 

無料プラン内での赤い打掛は、現在お手入れ中で試着が出来ないことが判明。あらま、困ったね。

 

すると、画像に近いデザインの追加料金プランでなら出せるとのことで、一枚の打掛を出して来てくれた。

試しに合わせてみる。さすがワンランク上。豪華なのに派手過ぎない絶妙なデザイン。

私の好きな色である赤、黒、紫のすべてが入っている。

 

でも、追加料金が掛かるしな……、と思ったら、なんと本来の打掛が出せなかったのは式場側の都合なので、こちらは追加料金なしで提供いたしますとのこと。

 

はい、即決。

 

残るは虹夫さんのお父さんのモーニングだけではあるけれど、直前まで追加予約は出来るようなのでもうしばらく考える時間を置くことにした。

 

 

その後は解散する予定だったのだけど、丁度式場でイベントをしており、大人数が収容できる会場でビュッフェ形式の食事会をしているので参加しませんか、とプランナーさんから声を掛けて頂く。

長時間の衣装合わせに、みんなお疲れだしお腹ぺこぺこ。ありがたく参加させてもらった。

 

この日のイベント会場であるフォレストヴィラは、私たちの披露宴会場2階のスカイヴィラよりも広い。元々少人数で披露宴をするつもりだったので特に深く考えていなかったのだが、なんとその後、私たちの披露宴会場がフォレストヴィラに変更されることになる。

それはまた、後日公開。

 

虹夫さんのご家族と一緒に食事をすることにまだ緊張はあるけれど、いつまでもそんなことを言ってもいられない。何度もタンドリーチキンをお代わりしている嫁の姿がどう映ったのかは気掛かりではあるが……。

(セントクレアヒルズさま、ご馳走さまでした。とても美味しかったです)

 

 

この日の衣装合わせではっきりと決まったのは、カクテルドレスは着ないということ。

前撮りでも、本番でも着ない。

経費を抑えるためもあるけれど、虹夫さんの紋付袴姿に激しく惚れ直してしまった私。

本番ではカクテルドレスは着ず、タキシードとウェディングドレス&紋付袴と色打掛。前撮りも同様。

 

カクテルドレスは試着で満足した。それよりも、とにかく虹夫さんの紋付袴姿の方が大事!

 

私、どんだけ虹夫さんが好きなんだ。

 

【連載】アラフィフ婚への道⑥リングボーイ

以前、それぞれの実家へご挨拶に行ったときに兄が話してくれた。

私が結婚式を挙げることを知った次男坊が真っ先にこう言ったと。

 

「俺、リングボーイやる!」

 

お前、19歳だろうが。

 

一瞬呆れたが、確かにお調子者で面白い男なのである。昔からいい歳をして独身の私に、会う度に「兄弟の中で結婚してない人って誰~?」とか、「まだ子供のおらん人って誰~?」などと神経を逆撫ですることをいつも言っていた(根に持っている)

 

さすがに中学生にもなってそういうことを言っていたので、事情があって子供を望めない女性はどこにでもいる。お前の言葉はそういう人を傷つける可能性がある、ということを兄から伝えてもらった。

尊敬する父親に諭されたからか、それ以降は私に対してはおとなしくなったが、同世代の子には相変わらずのようだ。困った奴である。

 

幾つになっても生意気で子憎たらしいのだが、生まれた頃から知っているので奴の恥ずかしい思い出も私は掴んでいる。まぁお互い様だ。

 

虹夫さんは結婚指輪は無いものと思っているので、次男坊君の意欲は空回ることになるけれど。

 

 

さて、前回の打ち合わせからは少し間が空いてしまったが4月中旬、遅れを取り戻すように一気に複数の案件を詰めた。

 

まずはムービー。

記録撮影は断った。式の最中にお友達がたくさん写真を撮ってくれるだろうし、後日それを貰えば良いだろうとの虹夫さんの判断。勿論私もそれに異論はない。

 

ただしエンドロールは依頼した。挙式の一日をダイジェストで映像化してもらい、披露宴の最後に上映する。

姉の結婚式で初めて見たのだけど、これは意外と出席している側も嬉しい演出。

 

ただし、ひとつだけ苦い思い出が。

最後の最後に、ゲストの名前もクレジットされて、そこに姉妹の中で私だけ名前が変わっていないことに会場の空気が一瞬気まずくなったのだ。

 

あれは居た堪れない……。

 

ということで、今回のエンドロールにはゲストのお名前は入れないことにした。

BGMはこちらの希望の曲を使用してくれるそうだが、演奏時間が長い方がそれだけ長い映像に出来るのでお勧めらしい。

 

入場時のムービーは作るか外注するかで、持ち込みすることにした。

 

生い立ちムービーは私たちの写真をそれぞれ規定枚数持ち寄り、BGMは製作者さんにお任せ。

 

 

 

次は進行についての打ち合わせ。

受付やスピーチをしてくれるゲストの確認をして、ざっくりと進行内容の説明を受ける。

 

その中で、指輪の交換についての話になった。

 

「リングボーイしていって子がいるんやろ?」と、軽く自ら振ってくる虹夫さん。あれ? 指輪は無かったのでは? と思いながらも、取り敢えず「そうなんですよー」とプランナーさんに甥っ子のことを話す。プランナーさんは「素敵!」と乗ってくれたけれど、あれれ? 指輪は無いのよね……。

 

内心、かなり混乱する私。

 

 

続いて場所を変えて、衣装の打ち合わせ。

この日はウェディングドレスとカクテルドレスを決めた。

 

私の憧れは、映画『サウンドオブミュージック』のマリアのウェディングドレス。

ジュリーアンドリュース演じるスレンダーなマリア。ほっそりと長い首から華奢な手首まで、全身をすっぽりと包み込むシンプルながらエレガントなドレスは幼心に私はうっとりしたものだ。

 

昭和時代も、ウェディングドレスと言えば手首までの長い袖のドレスが主流だったと思うのだが、最近はデコルテから二の腕まで露わなデザインばかり。

それもまた素敵ではあるが、何より私はアラフィフ世代。そんなもん晒せるかぁ!

 

しかし、無料プランで着られるドレスには、どれも袖すら付いていない。

私が困っていると、衣装部の方がレースのインナーブラウスを提案してくれた。肌を僅かに隠す程度の透け感ではあるけれど、私の羞恥心を覆ってくれるには充分だった。

 

そのインナーブラウスと、トレーンが長く刺繍などの少ないデザインのドレスを選んだ。

やはりシンプルなのが良い。これがもう20歳も若ければ、もっとフリフリなキュートなドレスを選んだかもしれないが。

 

ただし、そのドレスは無料プラン内では無く2万円ほどの手出しになってしまったが。

そして、インナーブラウスもオプションなので更に1万円の追加。

 

インナーブラウスだけで言えば、8000円以内で通販サイトに私好みの商品も見つけたのではあるが、おそらく今後着まわすことのない商品に8000円も掛けるのか。それならば、今回限りの1万円で収まるなら、それで良い。

 

と、虹夫さんに諭された。おっしゃるとおりです。

 

カクテルドレスについては、虹夫さんのワインレッドのドレスが可愛らしくて一先ず決定となった。

 

「一先ず」というのは、まだ本番でカクテルドレスを着るかどうかを迷っていたから。

以前、互助会のプランで衣装はウェディングドレスと色打掛が無料になると書いた。カクテルドレスは対象外だ。

 

ただし色打掛をカクテルドレスに変更することは可能とのこと。そうすれば、虹夫さんはタキシードのみでお色直しの必要はない。せいぜいネクタイを変えるとかすれば良いらしい。

 

でもでも、せっかくだから和装も着てみたい。お友達からも、和装の私を見たいと期待を寄せてくれている人がいる。

 

ならば前撮りだけ和装をプラスして、本番では洋装2点というのはどうか? それなら前撮りのみ価格というのがあって料金を少しばかり抑えられる。

 

取り敢えずの見積もりを出してもらい、この日の打ち合わせは終了。

次回で和装の衣装も合わせてみてから決断することにした。

その日は両家の母の留袖も合わせることになった。

 

 

帰りに私は、ずっと引っ掛かっていたことを虹夫さんにぶつけた。

 

「指輪の交換について普通に話していたけど、指輪はあるの?」

「準備します」

 

えぇぇぇぇっ?!

 

以前、虹夫さんのお友達のお店で結婚指輪は有りか無しやで揉めた際、私は酔っ払って「虹夫さんは私の言うことならなんでも聞いてくれる」と大変厚かましいことを口走ってしまった。

それが虹夫さんを責める形になってしまっていたらどうしよう。

 

だけど、その後本当に虹夫さんはわざわさ指輪のサイズは測るツールを購入し、お互いの指のサイズか確認して慎重に慎重を重ねて指輪を準備してくれた。

 

お互いにブランド品というものには興味がないので、どこのメーカーなのかすら分からない。だけど、とてもシンプルで綺麗で、可愛らしかった。

男性のリングには珍しいかもしれないが、どちらにも誕生石が付いている。偶然にもお互いに青色系の石なので、一見同じ石に見えるのはご愛嬌。

 

私の指、身長の低さの割にはかなり太いので恥ずかしいのだけれど、虹夫さんの指輪と並べたらちゃんと女性的なサイズに見えたのもご愛嬌。

 

女性にとって、婚約指輪や結婚指輪はこだわり抜きたいという方も多いと思う。

だけど私は、虹夫さんが私とのことを考えてあちこちのサイトをチェックして、時間を掛けて吟味を重ねて準備してくれた指輪がどんな高級ブランドの品よりも素敵に見えるのです。

 

惚気でしょうか? そうです、全力で惚気ています。

派手さは無くても、こんな幸せがあっても良いと思ています。

 

【連載】アラフィフ婚への道⑤互助会という強力な助っ人

3月上旬、天空(そら)の森セントクレアヒルズにて初回打ち合わせ(前回は当選説明会)。

 

以前ゼクシィで「ウェディングノートを作りましょう」という記事を読んで、どのような形で作成するのが良いのだろう? と思っていた。

すると、担当プランナーさんがA4サイズのハードカバーのファイルを差し出して「おふたりのウェディングノートです。こちらプレゼントです」と。

 

内容はふたりの馴れ初めやお互いの第一印象など記入するテンプレートがたくさん。項目を埋めていけばオリジナルのノートが完成するという次第。

両親や兄弟との思い出なんかも書くところがあって、作成するにあたって家族と話をする時間を作る必要があるのもまた良い。

 

ただ、改めて私が生まれて時どう思った? なんて母に尋ねるのは、なんとなく気恥ずかしい。

 

そんな母から、セントクレアヒルズでの挙式が決まった話をしたところ、「それなら昔に掛けていた互助会の掛け金使えるよ」と言ってもらえた。母が掛け金を掛けていたのはずっと昔。その当時の互助会は既に運用を終了しており、現在はセルモグループが引き継いでいる。

 

セントクレアヒルズに問い合わせ、母の会員情報が確認されたことで私たちの結婚式費用にも利用できることが分かった。

トリニータコラボキャンペーンでかなりお得に結婚式を挙げられるけれど、互助会プラン併用で更に手出しが抑えられるのは大変助かる。

 

ただしプランの内容が当時とは異なるらしい。

 

説明の結果、コラボキャンペーンでは新郎と新婦の衣装はそれぞれタキシードとウェディングドレスの1点ずつだが、互助会プランを使えば私は色打掛も無料で着ることが出来るプランが利用可能だった。

新郎の紋付袴は追加料金になってしまうが、4着の衣装のうち手出しは一着分のみでお色直しが可能になる。

 

他にもメモリアルフォト1枚とブライダルエステが1回、両親の衣装も無料となった。

具体的に金額に直すと、約35万円の経費を抑えることが出来た。

 

因みに私の父は早く(?)に他界しているので、両親の衣装で必要なのは留袖だけ。

兄に代理としてモーニングを着てもらう? 虹夫さんの挨拶にも父親代わりに同席してもらっているし、顔合わせの食事会にも来てもらっている。

 

だが、兄は兄であって、父では当然無い。兄も「俺、父親じゃないんだけど……」と困惑しているのは何度も聞いている。

 

実はこの先、この件でひと悶着起きることになるがそれは別の機会に書こうと思う。

 

改めて見積書を見ていると、互助金の名義人が記載していることに気が付いた。

そこには、先程も書いた父と、父方の祖母の名前があった。

 

祖母は私が高校生の頃に亡くなっている。私は祖母とは仲が悪かった。

父ともまた、歳を取るほどに仲が悪化していた。

どちらとも、最後の会話など覚えていないくらいに長いこと会わないまま亡くなった。

 

そんなふたりの名義の掛け金で、私は花嫁衣裳を着ることになるのか。

そう考えると、なんだか申し訳ないような、なかなか複雑な気持ちである。

 

この打ち合わせは3月の半ばのこと。

月末には紹介状についての打ち合わせが行われた。

 

大量のサンプルを前に目移りしてしまう私。やはりディズニーのデザインはどれも洗練されていて可愛らしく、特別ディズニー好きなわけではないのに眺める時間が長くなる。

 

でも、虹夫さんの反応は淡泊。知ってる、ディズニーに一切興味ないってこと。

 

式も披露宴にもディズニーをまったく使用しないのに、招待状がディズニーなのはアンバランスだろう。断念した。

 

花を基調にしたデザインにも洋柄や和柄それぞれに良さがあり、なかなか決まらない。

そうこうしながらも「お、これは!」と思えるものが幾つかに絞られてきた。

虹夫さんに「どうかな?」とそれぞれ示してみると、そのうちのひとつに「いいやん!」と。

 

即決です。

優柔不断で決断力のない私。私が赤も青も良いのなら、虹夫さんが赤が良いと言えばそれで良いのである。

 

マットな光沢のあるクリーム色のカードに、小鳥や花の切り抜きやゴールドが散りばめられている。

純白のカードにシルバーのラインの入っているのとで私はかなり迷っていて、帰りにも「あっちの方が良かったかも……」なんて思ったりもしたけれど、後日手許に届いたカードを見たら吹っ切れることになる。

 

因みに招待状はコラボキャンペーンで100セットまで無料だったので、虹夫さんが40セット、私が30セットで注文した。多めに頼んでいたのが、この先かなりのグッジョブな結果となる。

 

この時点で結婚式まで約3ケ月半。まだまだ余裕をぶっこいていたが、それが自分の首を絞めることになるのは想像に難くないのであった。

 

【連載】アラフィフ婚への道④食い違いと擦り合わせ

結婚式の見積書を見た虹夫さんが言った。

 

「リングピローがキャンペーンで無料で入ってるけど、使わないなら使わないでいいんよな?」

 

ん? まぁ、それでも構わないとは思うけど、使わないの? なんで?

私は無言でパニック。

 

「指輪、無いんやし」

 

ん? え? あれ?

 

もしかしなくても、私が婚約指輪はいらないと言ったことを拡大解釈して、結婚指輪もいらないと思ってらっしゃる?

あら嫌だわあなた。お待ちになって。

 

婚約指輪は日常的に身に着ける訳でもないのに高価で華美。実用性を感じないので、それならば『判子』が欲しいのだとお願いしたのですよ私は。

結婚指輪もいらいないなんて一言も申しておりませんわ。

 

しかし完全に『指輪=不要』と思い込んでいる虹夫さんに、どう言えば良いのか分からずにモヤモヤを抱えたまま黙り込む私。

ここですぐに言えれば良かったのだろうか。

 

別の日には、虹夫さんがお母さまとのやり取りを話してくれた。

 

「指輪はどうするの? て言うから、指輪はいらないから判子が欲しいっていうからあげた、て話した」と。

 

お母さまの反応は? と聞いたら「ポカーンとしてた」と笑う虹夫さん。

 

ごめんなさい、お母さま。違うんです。いや、違わないけど違うんです。

 

どうすればこの誤解を解けるだろうかと考えあぐねていたけれど、ある日虹夫さんのお友達のお店で飲んでいた際、お店の女の子が指輪はどうするんですか? と聞いてくれたのを機に思い切って打ち明けた。

 

女の子にいつものように「指輪はいらないって言うから」と話す虹夫さんに、実はね、と切り出した。

 

「確かに婚約指輪は実用的ではないと思うので、それなら実用性のある判子が欲しいとは言った。でもそれは婚約指輪であって、結婚指輪ではないのよ?」と。

 

ポカンとする虹夫さん。

 

「いらんって言ったやん」

 

「婚約指輪はね」

 

「いやいや、指輪はって言ったやん」

 

そこで過去のブログをスマホで開き、証拠書類さながらに提示。私はあくまでも『婚約指輪』にしか言及していないことを示した。

困惑する虹夫さん。

笑ってみている女の子。

 

ちょっとズルくて残酷だったかな? とは思いつつ、良い機会なのでそこで一通り私の願望は伝えた。ごめんなさい、結婚指輪は欲しいです。

 

でも、話した結果虹夫さんがやはり結婚指輪は不要だと判断したなら私はそれに従うつもりだ。私の考えは話したのだから、それにどう答えを出すかは虹夫さん次第。

 

以降、私から指輪の話はしていない。

一度お友達が「指輪どうするん?」なんて一緒に食事している時に聞いてきたものだから、ちょっと焦ってしまったが。そこは取り敢えず流した。

 

それから暫く経ち、お出掛けの帰り道。

少し時間が早いからどこかに寄ろうかとなったので、最近オープンしたばかりのリユースショップへ行くことにした。

 

新生活を始める際には使えるものは引き続き私のアパートから持ち込みたいけれど、20年以上も独り暮らしをしているので家具も家電もどれも年季が入っている。比較的新しく充分に使えるのなら、中古品で揃えるのも有りだと私は考えていた。

 

虹夫さんは中古品に抵抗はあるのだろうか。

 

衣料品からバッグのコーナーを回っていると、虹夫さんがいくつかのリュックを物色し始めた。

更に家電のコーナーでは冷蔵庫などを見ている。私の使っている冷蔵庫は単身世帯用なので、それでなくてもお酒を入れるスペースに苦労している。やはり大容量が必要になるだろうか。

 

ふとダイニングテーブルが目についた。椅子が二脚のシンプルなデザイン。これ、良いかも。

 

「別に使えるなら、中古で揃えてもいいと思ってるんよな」

 

虹夫さんの言葉に、どこかで感じていた緊張が解けた。

 

「じゃあ、こんなのも?」とダイニングテーブルを指す。

虹夫さんとしてはローテーブルで座布団を使うのでも良いと思っていたようだけれど、年齢も年齢なので最近私も膝に不安がある。虹夫さんも立ったり座ったりする際の動きが難儀そう。

 

「こっちの方が楽だよ!」とニコニコ推してみる。「それもそうか」と虹夫さん。

 

最終的には新居の間取り次第ではあるけれど、家具にダイニングテーブルも選択肢に入れてもらえて嬉しくなってしまった。

 

価値観の擦り合わせ作業は、これからまだまだ続く。

 

【連載】アラフィフ婚への道③前途多難を感じた食事会

3月初旬、両家の顔合わせが行なわれた。

 

福岡県や大分県では『かなめ打ち(要打ち・金目打ち)』と呼ばれている、結納の簡易版にあたる儀式だけれど、私たちは以前から格式ばったものは省くと話していた。仲人も立てないので、簡易版から更にシンプルに食事会という形にした。

 

事前に「結納」や「両家顔合わせ」でググってみると、会の進行について紹介している記事を見つけた。そこには開会の挨拶を新郎の父が行うと書かれていた。

そうか、そこ重要だな。迂闊であった。

早速虹夫さんにLINEを送る。

 

「顔合わせの進行どうする?」

「進行とは?」

「調べてみたら新郎のお父さんの挨拶から始めるらしいよ。お父さんにお願いしてもらっていい?」

「自分でも調べてみたけど、本人が挨拶するのもあるみたい。こちらでやるから大丈夫」

 

ふむ、ではお任せしよう。と、すっかり丸投げ感覚になる私。あとで慌てる布石である。

 

顔合わせの会場は以前から虹夫さんが懇意にしている支配人さんのいる料亭。支配人さんは私も面識があり、今回の件も快く引き受けてくれた。

 

激太りで着られる服がなく直前まで右往左往していたけれど、まぁなんとか様になるワンピースとショールを購入。昔兄嫁から頂いたペンダントをさり気なく身に着け、いざ出陣。

 

偶然にもこの日は大安で、天気も快晴。

 

虹夫さんのお父さんがお酒を飲むことを楽しみにされているということで、兄にも飲んでもらえるようにこちらは甥が車を出してくれて送迎してもらえることに。ありがとう、甥っ子君。

 

先に到着したのは私一家。さほど間を置かず虹夫さん一家到着。

 

座敷へ通されて、奥から虹夫さんのお父さん、向かいに私の兄。次いで双方の母が向かい合わせ。末席に虹夫さんと私。

 

早速虹夫さんが挨拶しようとしたところ、給仕さんから「まずは桜茶をどうぞ」と声が掛かる。

 

桜茶! おめでたい日にだけ供される華やかな飲み物!

姉の結納が実家で行われたとき、母から買いに行かされたのを覚えている。

 

それが、私のお祝いの為に供されている。祝ってもらえてるんだ、この私が……。

 

蓋を開けると、茶碗の中にはふわふわの桜の花びらが湯の中で揺らいでいる。可愛くて、優しい香りが漂ってきて、感極まる。

じっくり味わいながら頂く。

 

そして一息つくと、改めて虹夫さんからのご挨拶とご両親の紹介を始めた。お父さま、お母さまの紹介が済むと、今度は私に向かって手をさっと振った。次はそちらですよ、とばかりに。ん?

あ、次は私がこちらの紹介をするのか。当たり前か。

 

おどおどと席を立ち、父が20年前に他界しているので、代理という訳では無いのですが……、と兄と母を紹介した。

 

虹夫さんの音頭で乾杯をして、お食事がスタート。飲み物の注文で、お父さまが日本酒を「上から」とおっしゃったのには度肝を抜かれた。飲むとは聞いていたけれど、そうきましたか。

そしてそれに全く動じずに対応する私の兄。さすが酒飲み一家の長男だ。

 

終始和やかで楽しい会ではあったけれど、ひとつだけ私の反省点。

上記のように、私の席はお父さまからは一番遠い。その遠い席にいる私にも気さくにお酒を進めてくれるお父さま。いそいそとお猪口を持ってお父さまの席まで移動してお酌をして頂いて、お礼を言ってそのまま自分の席へ戻った私。

 

超の付く大失態!! そこはお酌し返さんかい!!

 

礼儀にうるさい兄の目の前でやってしまったことに気が付いたのは散会から数時間後。間抜けすぎるし、私らしいと言えば私らしい。

兄からお叱りを受けるかと思ったけれど、現在も特に何も言われていない。もういい大人なので、存分に恥をかけということかと思う。

 

他にも美味しい食事に集中してお母さまへもろくに対応出来ていなかったと思う。もう本当に気の利かない駄目な嫁が早くも露呈してしまった。

先が思いやられる。

 

食事会そのものは、その後も和やかな雰囲気のまま終了。両家ともすっかり打ち解けた様子で、私もその場ではホッとしていたのだけれど、後から後から反省点が浮かんできて精神が激落ちくん。

その話を虹夫さんにしても、特に反応はなし。気にしなくてもいいとも言わないし、これから気を付ければいいよとも言わない。

 

虹夫さんにとってはどうでもいいことなのだろう。

それならそれで、私は私で気が付いた限りは反省し、今後同じことは繰り返さないようにしていこうと思う。本当に自分が恥ずかしい。アラフィフなのに……。

 

長年好き勝手に生きてきたものだから、他者への気配り心配りが苦手なのは自覚済み。

今更感はあるけれど、私と一緒に生きていく選択をしてくれた虹夫さんを困らせたくないので頑張っていきたい。

 

【連載】アラフィフ婚への道②拒否権の行方

ゼクシィは買った。地方版にリゾート婚版など、いろんな種類があることも今回初めて知った。

 

ノートを買ってきて、思いつく限りに招待したい人の名前と希望の日取りを書き出した。

 

リミットは8月末。時間は無いぞ。当選を知った翌週には説明会の予約を虹夫さんに取り付けてもらった。

 

この時点でどこか虹夫さんが戸惑っているのが分かったが、敢えて問いただしはしない。とにかく私は佳いお日取りで憧れのドレスが着たかった。既にやや暴走気味である。

 

ここからは結婚式場からの許可を得られたので、会場名と当選したキャンペーンについても公開しようと思う。

場所は『天空(そら)の森セントクレアヒルズ』。キャンペーンでコラボしていたのは大分トリニータで、勿論A賞が当選していた場合に一緒に撮影出来ていたマスコットキャラクターはニータン。

 

あの丸くて可愛いニータンが、アラフィフのおいさんおばはんとレゾナックドーム大分でウェディングフォトを撮影していた可能性があったとか、なかなか笑えない冗談である。

 

週末のお昼前、私たちは会場に到着した。駐車場までお出迎えの待機をして頂いていて、とても気持ちが良い。

案内された席には、虹夫さんと私の名前入りウェルカムカードがさり気なく飾られていて、そこもおもてなしの配慮を感じて嬉しい。

 

私たちが当選したB賞で挙式をした場合の見積もりを見せて頂き、一通りの説明を受ける。

取り敢えずゲスト30人で算出。料理やドリンクについても平均的なコースを仮設定。

キャンペーン当選の特典で挙式費用とタキシード、ウェディングドレス、それぞれの着付料は無料。

ウェルカムグッズにトリニータグッズのレンタルが含まれているのはかなりありがたい。ゲストをお迎えする場所の装飾、まったく思い浮かばないので。ニータンにいてもらえたらそれだけで華やぐだろう。

 

ところで結婚式を挙げるにあたって重要なことがいくつもあるけれど、そのうちのひとつで何よりも真っ先に決めなければならないことがある。これが決まらなければゲストに声も掛けられない。

そう、日取り。

 

何度も言うが、リミットは8月末。それまでに日が佳くてゲストにも来て頂きやすい日を最初に決めなければならない。

今年は元日からもう佳いお日柄だったそうで、著名人が何組も元日の入籍を発表したのは記憶に新しい。

かく言う私たち共通の酒友で、かねてよりお付き合いしていたカップルもこの日に入籍している。

 

虹夫さんは縁起を担ぐ人ではないので、その辺りはかなり無頓着。入籍も挙式も、なんとなく都合が良い日があればそれでいいんじゃない? という感じ。

 

対して私は最低限の縁起を担ぐのは大切だと思っている。縁起を担ぐことばかりにこだわって周囲の都合を考えず、調和を乱すようでは本末転倒だが。

 

そこで私は虹夫さんに断ったうえで、例のノートを取り出した。

日付けと曜日、その日の六曜などの暦、そして何故その日を希望するのかという理由までを第1~4希望まで1ページにぎっしり。理由の主なものは、遠方の姉や妹家族が子供の夏休みに入っているから帰って来やすいだろうというもの。

 

隣からノートを覗き込んだ虹夫さん、絶句。

 

因みに今回希望を書き出すことで、『母倉日(ぼそうにち)』という言葉の日を初めて知った。

「母が子を育てるように天が人を慈しむ」という吉日だそうだ。慶事を行なう日、物事を始めるに日に適しているとのこと。入籍や結婚式には最良である。

 

幸いにも私が希望している日程はどれもまだ予約枠が空いており、今なら余裕で押さえられるだろうとのこと。

 

ここからは館内を案内して頂き、大聖堂も見学。

「いってらっしゃい」という優しい声に促されて、荘厳なBGMと共にふたりでバージンロードを歩く。真っ白な壁と高い天井、奥のステンドグラスから差し込む陽を浴びていると、益々気持ちが高揚してきた。

私、本当に虹夫さんと結婚するんだなぁ。届け出だけなのもまったく悪くは無いと今でも思うけれど、節目として式を上げるのもまた悪くないのかもしれない。

 

因みに『大聖堂』と名乗れるには世界的な基準があるそうだ。大きいチャペル建てたから大聖堂と銘打とうなんて、勝手な判断は出来ないらしい。

 

披露宴会場は8人掛けの円卓が6卓。増やすことは可能のようだが、現時点でゲストは親族含めて30人程度だと考えており、だいぶ余裕がありそうな印象。

 

衣装を管理するブライダルサロンでは、私の憧れジュリー・アンドリュース扮するマリアのウェディングドレスを着た画像(何故か白黒しか見つからなかった)を見て頂き、私の持つイメージを伝える。

 

再び最初の説明を受けたテーブルに戻ったのだけど、そこには「おかえりなさい」のカード。どれだけ細やかなのかセントクレアヒルズ。こういうのは本当に嬉しい。

 

一通り見学を済ませ、イメージが湧いたところで改めてこちらで成約するか否かを確認。

一般的には複数の会場を見学して充分に比較してから式場を決定するそうだが、私たちはキャンペーンに当選したからこちらへ赴いた。特に他所を見学する予定も無いし、見積もりの金額も思いのほかお手頃。

 

ここで更にお金の話。

成約には申込金の100,000円が必要で、それは後日でも良いけれど、本日(即日)成約と支払いをすれば邸宅利用料が50,000円割り引かれるとのこと。翌日以降の支払いだとその割引は適用されない。

ぬぬ、50,000円は大きい。

更に成約してからでなければ希望の日程を正式に押さえることは出来ず、明日以降にもその希望日が埋まらないとは限らない。

 

暫し考える私と虹夫さん。たぶん、そこで虹夫さんはかなり葛藤したと思われる。

既に書いたように、虹夫さんは日取りにこだわりはない。だが、私はノートにびっしり理由まで書き出すまで日取りに思い入れがある。

優しい虹夫さんは私の気持ちを汲み、その日取りを押さえるために即日支払いを了承。

ただし、お互いの手持ちが足りない。

 

セントクレアヒルズさんには無理を言って時間をもらい、急遽ATMへGo! そしてとんぼ返り。

ふたりでお金を出し合って無事に申込金を支払い、成約。正式に私の第1希望の日程も予約が完了した。

 

結婚式場を検討している方は、念の為に見学の際にはお財布に余裕を持たせておくか、クレジットカードを用意していくことをお薦めする。私はちょっと慌てた。

 

後日、恒例の飲み歩きデートの中であのノートの話になった。

ぎっしり書き込まれた日取り希望のページを見たとき、虹夫さんはこう悟ったという。

 

「僕に拒否権は無い」

 

ちょっと待って。そんな言い方をしたら、まるで私の圧に押し負けたみたいじゃないか。

暦は勿論、理由まで細かく書いた方が説得力もあって虹夫さんにも納得してもらいやすいと思っただけなのに。

不本意な婚約判子ムーブ再来。

 

なんだかモヤっとするけれど、夏に向けて新たに目指すものが出来たのは良いことだと思っている。

次は両家顔合わせ。ひとつひとつ、虹夫さんと共に着実に課題をクリアしていきたい。