妙春堂の日常

アラフィフ婚にむけての日常つれづれ日記

人生諦めが肝心?

久しぶりにスーツを着る為に3日間のダイエットに挑戦中ですが、3日目の今朝の体重は1㎏しか減っておらず。これはどう足掻いても間に合いません。

 

諦めます。買い直します。

て言うか、もうさっき買ってきました。し〇むらで。

3年前は9号が余裕で着られていたというのに、今の私ときたら……。

 

でも! スーツは期限があったので買い直しという結末になってしまいましたが、ダイエットそのものは諦めませんよ。まだまだ継続して食事管理と運動を続けて、少しずつでも引き締めていきます。

 

その為にもやはりフィットネスバイクが欲しいところです。

唯一私が運転できる乗り物、それが自転車。

外を走るのは怖いので、ここは天候に左右されない室内運動が望ましいですね。ヘルメットもいらないし。

 

それで前回にもあるようにレインボーさんにおねだりしたんですけど、鮮やかに断られちゃいました。そりゃそうか。

でもねー、失業給付の中でその出費はかなり懐に響く。もはや痛い。今日のスーツ代だって厳しかったのに。

 

つくづくここ数年の自分を叱り飛ばしたいです。歳をとったのだから、若い頃の勢いで食べたり飲んだりしてたら駄目だって分かってたはずなのにね。

大いに反省です。

 

緊急ダイエット宣言

先月中旬から始めた女性専用体調管理アプリ。

基礎体温は勿論、体重と体脂肪率も管理が出来ます。

 

元々は酷い貧血症状や更年期障害かな? な症状のチェックのために取り入れたのですが、体重がヤバい状況になっていたので、そちらの管理にも丁度良かったです。暑くて外に運動に出る気にはなりませんでしたが、酵素ドリンクを取り入れた食事管理をしつつ体重と体脂肪率の推移をチェックしていました。

 

体重は10日程で4㎏は減ったのですが、そこで停滞。そして体脂肪率は上昇しました。

これは良くない傾向。やはり運動していないのが良くないのかな、などと考えてレインボーさんにフィットネスバイクをおねだりしてバッサリ切り捨てられたりしつつ、食事管理は続けていました。

 

そんな折、週明けにスーツを着なければならない事態が発生しました。

 

スーツ……。もう3年近く着ていない。そしてこの2年で激太りした。

それは、つまり……。

 

恐る恐る、パンツスーツを引っ張り出します。パンツのウエスト、キツっ……。

ジャケット、ボタンとまらん……。

 

最悪だぁぁぁぁーっ!!!!!

 

その瞬間から、集中的緊急ダイエットの強制スタートが決定しました。

丁度お昼頃で、その日の朝は海藻こんにゃくサラダを食べていました。夜は早めの時間に小さめの冷奴を食べて、そこから断食開始です。

勿論お酒も当分はお預けです。

 

すぐにレインボーさんにもこのことは伝えました。ダイエットに取り組む3日間は週末にあたります。週末と言えば、レインボーさんとのおデートです。美味しいものを食べて、楽しくお酒を飲むのがルーティンです。

 

つ・ま・り・・・

 

今週のおデートも中止が決定しました。あぁ……(嘆)

 

いやいや、嘆いている暇はありません。動画サイトで有酸素運動や筋トレの動画を漁っては片付いた部屋で大暴れ。滝汗かきながら、麦茶を煽って水分補給。

 

今朝は酵素ドリンクを割る大量の炭酸水に加え、もし空腹に耐えきれなくなった時の為に刺身こんにゃくと豆腐を購入。

これから本格的にファスティングダイエットがスタートです。目標は、そうだな、ウエスト5㎝減かな。

ということは体重はマイナス5㎏?! それを3日で!

きっつ!!!!!

 

しかし、やらねば。ここまで太ってしまったのは誰のせいでもなく自己責任。

短期集中、ストイックに頑張ります。

 

たまに生じる認識のズレ

私とレインボーさんは共通点もあるけれど、キャラクターは真逆です。

 

男兄弟の真ん中のレインボーさんと、三姉妹の真ん中の私(一番上に兄がいますが)

同学年で

お酒が好き。

共通項はそれくらいじゃないかな? それ以外はことごとくタイプが違います。

 

年齢が同じだけあって見てきたテレビ番組や流行ものなど、話題は合うのですが好みは異なっていて、レインボーさんはバラエティーの、特に今でいうリアクション芸人さんが好きです。

私は特に好きなものは無く、その時にテレビで流れていたものをおとなしく見ているだけで、クイズ番組も歌番組もなんとなく眺めている子供でした。父の影響で基本はニュースやドキュメンタリーを見ることが多かったかな。

 

あ、でもドリフはレインボーさんも私も大好きです。ザ・ドリフターズは偉大。

 

美術館や博物館が好きで、お寺や神社の意匠を見るのも大好きな私に対して、レインボーさんはきょとん顔。

先日もデパートの画廊で『水森亜土展』があったので一緒に立ち寄ってもらったのですが、作品の数々に私が「可愛いー」「セクシーで素敵ー」とうっとりしているのを、レインボーさんは苦笑いで付いてくるだけ。退屈させてしまった……。

 

もふもふな小動物が好きで、特に猫はいつか飼いたい私に対しても、レインボーさんは無反応。

中でも犬は基本的に苦手らしく、小型犬や猫なら平気らしいです。

 

幼少期は人見知りが激しくて、今でも根っからの引きこもり体質のインドア派な私。休日は自室でのんびりするのが落ち着きます。

一方、生傷が絶えない活発な少年期に、休日は用がなくても外出しないと落ち着かない行動派なレインボーさん。社交的で顔もかなり広いです。

 

 

そんな陰キャと陽キャの私たち。そもそもお付き合いは、ちょっと複雑なスタートでした。

 

私としては、お互いに気持ちが通じ合ったと思えた日が印象深く感じていました。だからその日が私の中での記念日だったのです。

 

でも実はこの時、私は明確に言葉で意思表示はしていなかったのです。それがレインボーさんには不安だったのか、後日改めてランチをした時にそういうことで良いのか確認をされたのです。

 

ひとりで舞い上がっていたことを反省した私。改めてお互いに「よろしくお願いします」をしたのでした。

 

はい、ここでふたりの間に認識のズレが生じました。分かりましたよね?

私は最初に感じた認識のまま、今日まできてしまいました。そしてレインボーさんは、言葉で伝えあった日がスタートだと認識していました。その時差、約1週間。なんてこったい。

 

丁度私が記念日だと思っていた日は週末で、お泊りの日でもあったので事前にプレゼントを部屋に準備していました。そしていつものお店でふたりで飲んでいました。そこへ共通のお友達が現れて、お喋りをしている中で私たちの付き合いの長さの話になったのです。

 

「1年」と応える私。

「ほぼ1年」と応えるレインボーさん。

……ん?

 

「付き合うことになってからは1年だけど、言葉にしたのはもう少し先」と付け加えられて、ハッとする私。いやだ~、私ってば勇み足~! と、内心頭を抱えました。

仕切り直せばよいものを、準備したプレゼントを更に1週間置いておくのもなんだなと、その夜ほとんど眠りかけているレインボーさんに私は半ば強引に手渡し。レインボーさんは当然面食らっていましたが、快く受け取ってくれました。

 

今回は完全に私の思い違いでしたが、人格も生き方も性格も何もかも違うのですから、認識にズレが生じるのは無理もないとは思います。こういうのって、男女の性差からもくるものなんでしょうか? ちょっと気になりますが、そういう違いを歩み寄ってすり合わせていくのがこれからの課題でもあるんだろうな、と感じています。

 

長い長いお付き合いになる予定なので、そういうのも意識して生活していく必要がありますね。気を引き締めます。

それでは本日はこの辺で。秋の気配も近づいていますが、まだまだ暑さにはご用心です。

 

私の親(悪)友

タイトルは親(悪)友本人からの希望です。

書きにくいのでここからは「Mちゃん」と表記します。

 

Mちゃんとの出会いは高校生の頃。同級生でした。当時からどこか他の子と変わったところがあるとは思っていましたが、今なら分かります。

強烈な中二病なんです。

 

これまでの私のブログに自分のことが殆ど書かれていないと拗ねられてしまい、「友達やめるー」なんて言い出したので、急遽こうして彼女のことを書きだしていくこととしました。

本当は「親(悪)友」シリーズでの連載を希望しているようですが、あれ疲れるねん。だから一先ずは単発で勘弁してくれ。すまんの。

 

高校時代はそれなりに仲よくしていたと思うのだけど、卒業後は一時連絡が途絶えました。

それが復活したのは、20代になってから。当時の友人が集まるという中に彼女はいました。

そこからたびたび連絡を取るようになり、彼女の結婚などで県外に行ってしまったあとも帰省時に都合があえば会っていました。

 

私が重度の鬱病になった時も心配してくれて、まだ小さな子供がいたのに車で駆けつけてくれたりもしました。

 

そんなMちゃんですが、先に書いたように中二病です。私の同級生なので、アラフィフです。かなりこじらせているレベルなんじゃないかと思いますが、全開の時はとても元気そうだし私も楽しいので気になりません。

さすがに電話で14時間語られた時は「寝なさいな」とは思ったけど……。

 

中学生や高校生ならまだしも、睡眠不足が覿面に響いてしまうアラフィフが昼前から深夜まで喋り続けているのだから、もう体力も精神力も凄い。何をそんなに話すことがあるのか驚かれる向きもあると思います。

 

Mちゃんは、とにかく知識が豊富なのです。どこまでも広く、そして深くなんでも知っています。知っているだけではなく、それを解説する話術にも長けています。語彙も豊富なんですよね。だから語りだすと、あれもこれもと網羅する解説が始まるのです。で、長くなる。

 

文章を書きたいのに知識が乏しく表現力も無い私にはとても羨ましいのですが、何故か彼女は文章と

いう表現方法が苦手らしいです。勿体ない。

あと、イラストの技術がかなり高いことも書き足しておきます。

 

それと、彼女は根っからのお世話焼きさんです。私がひとつ悩みを相談したとします。するとあらゆる角度からの原因と対策を懇切丁寧に話してくれるのです。本当に、丁寧すぎると言っても良いかもしれません。

だから話す時間も長くなるのかな。

 

こんなに心優しい細やかな女性ですが、発言は過激です。彼女との会話の中で、もうたくさんの人が海に沈められています。もちろん冗談なのですが(本気で言ってたら当然止める)、その発言だけを聞いていたらかなりの危険人物と誤解されかねません。

そこはたぶん、かなり損をしている。

 

実はこの記事の冒頭もMちゃんから「このように書け」と指示の文章を受け取っていましたが、かなりかっ飛ばした内容だったので無言で却下しました。怒られそう……。

 

実はまだ「これを書けー!」と言われていることの半分も書けておりません。

まだまだネタの宝庫なMちゃん。もしかしたら本当にシリーズ化するかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

無事に完走出来ました!感謝!!

昨日、無事に全13話に及ぶ連載エッセイ『アラフィフ婚シリーズ』が一旦完結しました。お読みくださった方、ありがとうございました。

今偶々ここに出くわしてしまっただけで、まだ読んでいない方、よろしければチラ見でもしていってください。私が無言で喜びます。

 

長い独り暮らしで生来のだらしなさも手伝って、とんでもない汚部屋の住人になっていた私。それがレインボーさんとお付き合いをするようになったことで一変、汚部屋からの脱却を目指すことになります。

レインボーさんをはじめ、たくさんの方の協力や善意を得て、ようやく人並な生活を手に入れたあとは本格的に将来について考えることに。

 

言うて、アラフィフです。終活を考える年代ですよ。

女に生まれながら、出産と育児を経験出来なかったのは少なからず(いや、かなり)寂しさは感じますが、こればかりはしかたがありません。その分、次世代や子育て世代になにかしら支援・貢献が出来ればいいな、なんて秘かに思っています。

それも含めて、レインボーさんとは今後のことを少しずつでも話をしていかないといけませんね。

あ、まずは早くお仕事始めなきゃ(焦)

 

今回の連載では最終的に結婚には至っていませんが、たぶん自然とそうなると思います。

連載の中でも書きましたが、今更法的な結婚という手段を取らなくても良いとの意見もあるかとは思います。年齢的にもね。私も出来ることならそう出来ればと考えています。

でも、現行の法整備ではやはり婚姻届を出して姓を統一するのが何をするにしてもスマートにことが進むんですよね。不本意ですが。

いつか私と同じ思いをもつ方々が、なんの障害も無く夫婦別姓を選択出来る時代がくることを願います。

 

ところで、普段のブログと連載エッセイとでは文体を変えています。通常は「ですます調」で書いていますが、連載では「である調」で書きました。一応差別化を狙っていたのですが、大した変化ではなかったかな? 精進しなければ。

 

最後に今回の連載を書くことを許してくれたレインボーさん、本当にありがとうございました。

ふたりでのやりとりを全世界に公開するのですから、抵抗が全くないわけがないと思うのです。それを、文章の変換ミスを指摘するのみに留めてくれたのは本当に優しいと思います。角度によっては私の承認欲求に強引に付き合わされているだけと見えますしね。

中でも市役所での私の行動は、かなり驚かせてしまったようです。あの記事を投稿するときには、私も更新ボタン押したあともドキドキしてました。

 

今後は連日というよりは、なにかネタがあれば投稿をする流れになると思います。レインボーさんとのこととか、お酒のこととか、お友達、ダイエット等々……。

そのときは、またお付き合いくださいね。

 

では、本日はこの辺で。良い一日をお過ごしください。

【連載】当たるも当たらぬも八卦よいよい⑥「アラフィフ婚の結論」

2章からなる「アラフィフ婚シリーズ」も、本日で一旦完結。今後はリアルタイムでの中年バカップルネタを公開していくことになる……かな?

今回ようやく第2章のタイトルの種明かしをします。どうにか伝われ!

 

   ↓   ↓   ↓   ↓

 

もう何年前だったかすら分からなくなる程かなり昔の話。

残っているメモから推察するに約20年前だと思われるのだけど、私は占いをしてもらったことがある。当時の私は転職を考えており、それについて良い時期や職種について質問したようだ。

 

その頃の私は事務の仕事をしており、今後も事務職を希望していた。だが占い師の女性は「あなたは事務は無理」と断言。話す仕事を強く推された。

まぁ、生年月日を見ただけで最初に発した言葉が「あなたの前世はラテン系の外国人」だったので、どこまで本気で聞けばよいのかは大いに疑問だけれど。

 

その占い師は更に、何かを始めるなら実りやすい時期というのも教えてくれた。そこから自然な流れで結婚に良い年も。内容は頭からはすっかり忘れ去ってしまっていたが、前述のようにその時のメモが残っていた。断捨離中に見つけたので、懐かしさから見返してみた。

そこには20代後半から還暦前までの年齢が羅列されていた。40歳までで該当する年齢に赤丸が付けられているあたり、それ以降まで独身であることはまったく想定していなかったのだろう。まさかアラフィフになる現在まで、レインボー氏に出会うまで、まったくご縁がないまま生きていくことになるとは。

 

事実、レインボー氏と「よろしくお願いします」をするまではそうなることなど微塵も思っていなかったのだから、当時の私は何も間違ってはいない。

 

改めてメモを見る。ノーマークだった人生後半での転機(結婚等)に良い年齢を確認してみると、まさに昨年と来年がそれに当たった。昨年、レインボー氏とお付き合いを始めた。そして、今は時間をかけてお互いの覚悟の時を待っている。

 

あぁ、そうか。来年なのか。

 

占いに流されるつもりはない。でも、きっかけが欲しい時には背中を押してもらえる強力な存在でもある。仮にこの占いに従って仕事を選んだり転職時期を決めて、それが失敗に終わったとしても決定したのは私自身だ。恨み言をいうつもりはない。

 

そもそも、開口一番前世はラテン系外国人だし。

 

 

因みにこの占い師から言われた天職について、もう少し書いておこうと思う。

 

事務職は向いていないというのは既に書いたが、では何が向いているかというと外資系(英語出来ない)、化粧品関係(エステティシャンになったが営業が出来ずに即廃業)、マスコミ・テレビ・雑誌関係(華やかなの苦手)、デザイン・芸術関係(偶にイラストを描くがムラがあると自覚済み)など。

とにかく「動く」ことと、「話す」というものが向いているのだと。どれもこれも、自分では適性があるとは思えない。

 

ただ、思い切って「書くことはどうですか?」と聞いた覚えがある。するとその占い師は「それもいいよ」と。マスコミ関係に該当するようなことを言っていたと思う。当時の私は小説を書きたいと思っていたのだけど、表現力が乏しすぎてその後挫折した。大丈夫だ。挫折を知らない人間などいない(と、自分を励ます)

 

 

この占いのメモを見つけたのは、書くことを諦めきれずにこのエッセイを書き始めてからだ。ここまで書けたのは、このメモに少しばかり後押しを受けたような気がしている。今はとてもセンシティブな精神状態で、占いにすがりたくなる時期なのかもしれない。ただ、このタイミングでメモが出てきたのにも何か意味があるような気がしてしまうのだ。オカルトは嫌いじゃない。

 

ただの願望だと言われてしまえばそれまでではあるけれど。

 

 

さて、ここまで書いておいてなんだが、「結論」と題しているけれど実は結果は出ていない。これは私の「決意」と言い換えた方が良かったかもしれない。私は来年、名前を変える。それに向けて一日も早く再就職をして、仕事を始めてからも決して汚部屋には戻らないと誓う。

 

まるで事務的な言い回しになっているが、愛情の有無を問われれば勿論ある。だがどこかで書いたが、アラフィフにもなって好きだのなんだのと勢いのままに結婚は出来ない。あれは若さの特権だ。

今更失敗を恐れているわけではないが、長く生きた分だけ知識が邪魔をする。目の前にある石橋を、これまでに得た知識と、彼との信頼と努力で、更に堅固に出来たら素敵だな、と思う。それはふたりで渡る橋なのだから。

 

まぁそれも願望ではあるのだけれど、でもきっと実現できると信じている。いや、実現するのだ。私と彼とで、周囲のお友達や家族に見守ってもらって、時には力を借りて。

 

その時はまた、こうして大好きな文章表現の場で気持ちを表したいと思っている。

 

【一旦完結】

【連載】当たるも当たらぬも八卦よいよい⑤「兄の想い」

実父は若すぎたとは言わないが、鬼籍に入るには早すぎた。私とは仲も悪かった。

将来を心配してくれていただろうけれど、親孝行など欠片もすることなく永遠の別れとなった。

そんな父とのことを思い浮かべながらの第5話スタートです。

 

   ↓   ↓   ↓   ↓

 

年末年始はイベントが目白押し。まず私の誕生日があって、クリスマスがあって、年の瀬街中イベント、大晦日、初売りに初詣。

 

彼という存在が出来て初めてのクリスマスは、これも初めてのプレゼント交換なんかもして、遂に私もリア充と言われる立場になったのかとしみじみした。

プレゼントは私からは手編みのハンドウォーマーとニット帽。レインボー氏からは誕生日プレゼントとあわせて、錦鯉のイヤリングと可愛らしいハンドクリームのセット。いつものお店で和やかに過ごした。この当時はまだまだ汚部屋だったので、私の部屋で過ごすなんてまったく考えもしなかった。

 

大晦日は前日の街中イベントで散々盛り上がっていたし、レインボー氏は買い物があると言っていたから私は適当に近所のスーパーにでも行こうと思っていた。それが、直前に「買い物付き合う?」と連絡が。お邪魔でなければ勿論行きたい。すぐに了承の返信をした。

 

買い物はおせちやオードブルの受け取りと、お寿司の盛り合わせなどの買い出し。ご両親と3人暮らしにしては量が多いなと感じたけれど、ご親戚が近所に大勢いるようなのでその為だろう。おせちとオードブルはお友達が運営している事業所や馴染みのお店。

案の定、顔を出すと結婚を促すような発言でからかわれてしまう。もうだいぶ慣れた。

 

一通り買い物を済ませ、後は帰宅するだけとなったところで私はひとつお願いをした。実家に寄ってほしかったのだ。

実は少し前に県外に住む妹から大量に蕎麦が届いたとかで、都合の良い時に取りに来るように母から連絡が来ていたのだ。実家は私の住むアパートからそう遠くはないが、バスの本数が少なくどうにも億劫で先延ばしにしていた。とても身勝手な理由だが、今こうして車に乗せてもらっているのでついでに連れて行ってもらえないかと思ったのだ。

 

レインボー氏は快く引き受けてくれた。実家の兄夫婦はきっと兄嫁実家に出掛けているだろう。実家前に車を停めてもらえれば、私だけ降りて玄関先で母から蕎麦を受け取ってしまえば良い。

その憶測が甘かった。

 

 

江戸時代は宿場町だったが、今はすっかり過疎ってさびれた田舎町に私はレインボー氏をナビした。実家は小さなお宮の参道沿いにあり、レインボー氏に参道まで入ってもらうようにお願いした。

 

これが大失敗。

 

初詣の参拝者向けに神社は幟旗や幕が掛けられ、参道にはずらりと大量の灯篭が並べられていた。しかも、甲類焼酎4リットルボトルで手作りされた代物。そうだった、今日大晦日だったわ。

 

灯篭は車が通られる程度には幅は取られていたが、レインボー氏にとっては衝撃の光景。丁度作業をしていたおじさんがこちらに気づいて、「大丈夫ー、通れるよー」とばかりに手招きしてくれたのだが、明らかにレインボー氏は動揺している。ごめんなさい。この神社、そうなのよ。

でもそこは竹灯籠じゃないのか氏子の皆さん。どんだけ焼酎飲んだのよ。

 

レインボー氏は慎重に車を進め、実家の前まで来た。私は急いで車を降りると玄関に向かい扉を開けた。そこには、出掛けている筈の兄と兄嫁がいた。私の読みよりもゆったり行動していたらしく、これから兄嫁の実家に向かうところだという。

息を飲み、慌てる私。レインボー氏の車はガレージの入り口を塞ぐように停めていたから。急いで兄にはすぐに車を移動させるから待ってと伝え、レインボー氏に車を動かしてもらうよう頼みに外に飛び出した。

 

母と兄には、以前からお付き合いしている人がいることだけは伝えていた。だが対面の挨拶はきちんと場を整えようと思っていた。まさかこんな慌ただしい中でのご対面になるとは。

 

おろおろしている私を尻目に、兄は長男に車を出させながらレインボー氏に挨拶をした。レインボー氏もやや緊張気味に挨拶を返す。お互いの笑顔が少々強張って見えたのは気のせいだろうか。いや、これだけ突然のことなのだから無理もないか。

 

その流れで舞い上がっている母とも引き合わせることになったのだが、兄嫁が「ここじゃなんだから上がってもらったら?」などと気を利かせてきた。いやいや、彼は生もの買ってるからすぐ帰る。私も蕎麦をもらいに来ただけだから、となんとか言って引き上げることが出来た。

 

ほんの数分の出来事だったけれど、すべてがまさかの連続で、これは後々までお互いに笑い話として語り続けることになると思う。

 

 

それから半年。阿蘇からの帰りに将来についてレインボー氏と初めてしっかりと話をしてから1ケ月ほどが経っていた。汚部屋はほぼ片付き、最後の仕上げとばかりに全自動洗濯機がやってくる日、私は久しぶりに兄に会った。兄の協力で洗濯機を受け取り、アパートに戻るタイミングで話を切り出した。

 

「きちんと話しておきたいんだけど」

 

 

自然と兄の背筋が伸びる。

 

レインボー氏とはおそらく結婚をすること、レインボー氏の方がずっと現実的に考えてくれていること、ただ、それは今すぐではないこと等を兄に伝えた。兄も薄々そういった話になることを予測していたのか、まっすぐ前を見てハンドルを操作しながら、真摯な目で耳を傾けてくれた。

 

お調子者な部分もある兄だが、面倒見と責任感はかなり強い。子供の頃、共働きだった両親に代わって三人の妹の世話は殆ど兄が見ていた。そんな兄なので、いくつになっても大切な話は通しておきたかった。車内の空気が冗談の通じない緊張感を漂わせる。

 

私の話を聞き終えた兄は、まず簡潔にこう言った。「ありがたい話だ」と。

 

今まで何も言われてはこなかったけれど、やはり兄は私の将来をかなり案じていたそうだ。鬱病を発症してからは長く休職していたし、社会復帰したと言っても派遣を転々としている。今後もらえる年金などを考えても、ひとりでやっていけるのかと。誰かが一緒にいてくれる、それだけで心強い。

 

「まぁ、言ってもその歳なんだから、タイミングはお互いがいい時でいいんじゃね?」

 

ですよね! うん、本当にそうですよね! 言うてもアラフィフですからね!

 

 

帰り際に兄は、このことは母も知っているのかと確認してきた。実は、もう概ね母には伝えている。このまま枯れていくのかと思っていたそうで、大変安堵していた様子だった。兄が後回しになったのは、なんとなく父親感があったから。男親には、やはり彼氏という存在にのことは打ち明けづらいものだ。

 

幸い兄は手放し歓迎な様子だったけれど、父が生きていたらどのような反応をしたのだろう。もし今も生きていれば、とっくに諦めていた娘が結婚するかもしれないのだからたぶん兄と同じようにありがたがったかもしれない。

 

生前であれば、どうだっただろう。還暦も迎えることなく父が亡くなった約二十年前は世論も違っただろうし、想像もつかない。

 

でも、口はへの字に曲げているんじゃないかなって気がする。

 

【続く……】